STMicroelectronicsとポーランドGame Technologiesは、Game Technologiesが提供するタブレットでボードゲームなどのアナログゲームを楽しむことができる次世代ダイス(サイコロ)「DICE+」に搭載されている技術の概要を公開した。

ボードゲームは5000年以上昔のエジプトの遺跡から発見されるなど、人類の歴史にとって長年の娯楽として用いられてきた。そうしたボードゲームに戦略性やプレイヤーの運を加味する要素としてダイスを振る(サイコロを振る)という行為がある。コンピュータゲームでも、モンスターに向かって攻撃を行って、ダメージを与えるといった行動があるが、もともとはそうした行為が成功するかどうかをダイス(乱数)で判定し、その結果を表示しているに過ぎない。

DICE+は、そうしたダイスを振るというアナログ的な行動を残しつつ、デジタル化されたテーブルゲームを楽しむために開発された電子サイコロで、結果もダイス自体に表示される。また、同時にその結果は、ゲームをホストしているタブレットなどの機器にBluetoothで送られ、自動的にゲーム上に入力される。さらに、適切に振られたかどうかの判断も行っており、意図的にダイスを持って、振るといった、いわゆる"イカサマ"行為を行った場合、動作がされないため、不正行為を防ぐことも可能だ。

こうした機能は、STが提供するデバイスに搭載されているモーション検知機能と、データ処理回路、パワーマネジメント技術といった4つのデバイス(6軸センサモジュール、STM32マイコン、リチウムイオンバッテリ向けモニタ・制御IC、リニア電圧レギュレータ)を組み合わせることで実現されているという。具体的には、ダイスが振られ、その回転数を計算し、本当に正しく振られたかどうかの判断を行う。また、オン/オフのスイッチがないため、放置すると休止状態に入り、動かすと起動するという判断も行われている。

なお、Game Technologiesの取締役であるPatryk Strzelewicz氏は、「実際の駒を使用するゲームであれ、タブレット上で実行されるゲームであれ、サイコロを振る瞬間が最も楽しく、プレーヤーは息を止めてサイコロが止まるのを待ちます。そしてサイコロを振るプレーヤーは、正しく振った上で目的の結果が出ることを望んでいます。我々が主要技術サプライヤとしてSTを選択したのは、同社が主要分野においてクラス最高のソリューションを提供していると共に、それらを1社で供給しているためだ」とコメントしている。

また、DICE+は同社Webサイトにて39.99ユーロ+5.00ユーロ(送料)にて販売されているほか、対応ゲームもGoogle playおよびApp Storeにて入手可能。ただし、対応ゲームは「BACKGAMMON」や「RUNBLE STUMBLE」などのボードゲームが基本で、「Dungeons & Dragons(D&D)」や「GURPS」、「It Came From The Late, Late, Late Show(レレレ)」などのいわゆる「テーブルトークRPG(TRPG)」(日本製としては「ソードワールド/ソードワールド2.0」や「アリアンロッド」「ロードス島戦記」「真・女神転生シリーズ」「トーキョN◎VAシリーズ」などが良く知られている)には対応していない。