代表的なものでは、S/MIME、VPNのサポート、企業内の無線LANネットワークへの接続の対応、MDM(モバイル端末管理)のサポート拡張など、こちらも「ようやく対応」という機能が多いが、企業ユーザーにとってはそれでも大きなアップデートではある。

過去3回のアップデート内容

次期アップデートでは企業向けの機能を追加

さらに大きな変更点が、ハードウェア対応の拡大だ。これまでWindows Phoneのハードウェア要件は、ハイエンド向けの端末を想定したものになっていた。これを変更し、Snapdragon 200/400/400 LTEに対応。デュアルSIMもサポートする。ROM 4GB/RAM 512MB、ソフトキー、カメラボタンの搭載をオプションにするなどのハードウェア要件の緩和が行われる。中国市場で使われているTD-SCDMA、TD-LTE、SGLTEにも対応。既存のAndroid端末のハードウェアをそのままWindows Phoneにも応用できるため、ハードウェアベンダーの開発効率が向上するというメリットもあるという。

ミッドレンジからローエンド端末を可能にするハードウェア要件の緩和

デュアルSIMのサポートでは、2つのSIMようにライブタイルをそれぞれ追加することが可能になる

Windows Phone Partner Potalサイトも開設し、ハードウェアベンダーがWindows Phone開発のためのツールや情報などにすぐにアクセスできるようにするほか、クアルコムとの協業により、Windows Phoneのリファレンスデザインも用意し、開発のサポートを強化する。

Windows Phone Partner Potalサイトでベンダーの開発をサポート

リファレンスデザインによって開発がより容易になる

リファレンスデザインは、「どのOEMでも簡単に端末を開発できる」と強調。こうしたサポートの強化によって、OEMベンダーをさらに拡大。現在のHTC、Huawei、Nokia、Samsungの4社に加え、中国のLenovo、ZTE、Gionee、JSR Technology、Longcheer、インドのKarbonn Mobiles、XOLO、韓国LG Electronics、台湾Foxconnが参加。13ベンダーへと拡大した。

リファレンスデザインを持つBelfiore氏

ハードウェアパートナーの拡大で、さらなるシェア獲得を目指す

Windows Phone 8.1へのアップデートは、企業向けの機能を強化し、企業での採用拡大を狙うことに加え、ハードウェア要件を緩和し、低価格端末を投入できるようになるのが大きな特徴だ。

先進国でのスマートフォン需要が一巡し、今後は新興国市場でのシェア拡大が重要となっている。Microsoftは、Windows Phoneのシェア拡大で伸び悩んでいるが、低価格端末の開発が可能になる、中国、インド、台湾のメーカーをパートナーに加えたことで、低価格端末のラインナップを拡大し、ローエンドスマートフォンでの存在感を高めることを目指している。