最新AtomでWindows 8.1が快適動作

Venue 8 Proは、Microsoft Office 2013をプリインストールしていることも大きなメリットだ。ビジネスユースではもちろん、ホームユースでもWordやExcelなどを使って書類を作成する機会は多い。iOSやAndroidでも書類を閲覧、編集できるアプリは登場してはいるが、まだまだ発展途上。正しく表示されない、必要な機能が実装されていないという不満を覚えるものばかりだ。その点、Venue 8 Proなら、MS Officeで作成されたビジネス書類を正しく表示し、使い慣れた環境で編集作業を行える。

OSがWindows 8.1ということで、今まで使ってきたフリーソフトなどの多くを利用できる。日本語変換ソフトなど、地味ながらも日常的な書類作成で欠かすことのできないアプリを流用できることは重要なポイントとなる。

40,000円を切る価格ながら、オフィス2013を利用できるのは大きなメリット

Venue 8 ProではCPUにIntelの「Atom Z3740D」を採用している。2009年頃に盛り上がりを見せた「ネットブック」に採用されていたAtomシリーズは、低消費電力だが性能が低く、Windows Vista以降のOSを動作させるには非常に厳しかった。Atomと聞いて、Windows 8.1がきちんと動作するのか不安なユーザーも多いと思うが、それは杞憂だ。

「Atom Z3xxx」シリーズは、開発コードネームで「Bay Trail-T」と呼ばれていた最新のAtomである。CPUの内蔵コアと内蔵GPUの両方を刷新しており、特にGPUが現行のパソコン用CPU「Core i」シリーズに準じる「Intel HD Graphics」に変更されたこともあり、描画性能は大きく向上した。

Windows 8.1を起動し、画面をタッチで左右に移動しても動きは非常になめらかだ。アプリの起動も素早く、ピンチイン・アウト操作による表示の縮小・拡大もストレスがない。Windows XPまでならなんとか使い物になる、というレベルだった過去のAtomシリーズの印象を完全に払拭するレベルといえる。

タッチ操作の追従性は高く、拡大縮小表示でも遅延はない

動画再生もなめらかだ。MPEG-4 AVC/H.264形式で1,920×1,020ドット、ビットレート14~16Mbpsの動画ファイルで試したところ、コマ落ちもなくスムーズに再生できた。こうした高精細でビットレートの高い動画の再生も、以前のAtomシリーズでは考えられなかったことだ。

以下、ベンチマークソフトによる検証を行ってみた。総合的な性能を測る「PCMark 8」のスコアは「Home conventional」のテストで1185。CPUにIntel Core i5-4200Uを搭載するソニー「VAIO Pro 11」では1885なので、さすがに最新のノートPCには及ばない。また、CPU内蔵グラフィックスゆえファイナルファンタジーXIV級のゲームをプレイするのは厳しい。とはいえ、以前のAtomシリーズ搭載ネットブックに比べれば十分性能は高い。

PCMark 8 / Home conventional

ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編