質疑応答

記者会見の最後に、質疑応答の時間がもうけられた。NTTドコモとしてのサービス展開について具体的に教えてください、との質問に同社の中山氏は「例えば、フィットネスの事業を経営されている方々とのお話が既にスタートしている。適切な運動量と心拍数は、個々人で異なる。今まではその計測が困難だったが、今後は簡単に行えるようになる」と回答した。医療や介護といった分野への活用も視野に入れているとのこと。一例として「パジャマや寝具に利用すれば、寝たきりのお年寄りでも利用できる」と説明した。

質疑応答で記者団の質問に回答するNTTドコモの中山氏。「市場をマーケティングし、色いろな可能性を探っている段階」だという

洗濯にはどの程度耐えられるのか、という質問に東レの桑原氏は「ナノファイバーを使い、繊維の中に導電性の樹脂を入れ込んで耐久性を高めている。ネットに入れれば30回程度なら問題ない。手洗いなら50~60回しても性能を維持できる」と回答した。バッテリーについてどの程度もつのかという質問に、NTTの塚田氏は「ボタン電池を使っており、用途と頻度によって寿命は変わってくる。心拍数の計測では1か月から3か月程度、心電図の計測では数日間の利用が可能」と説明した。

NTTドコモが主体となりサービスを提供していくのか、という質問にNTTドコモの中山氏は「ドコモ以外にも、様々な企業がサービスを提供していく。ドコモではスマートフォンとの連携の部分や、わたしムーヴにデータを蓄積させていく部分を担当する。例えばフィットネスセンターを通じて会員にサービスを提供するような場合は、どういったブランドで提供するか、コラボレーションの枠組みの中で考えていく」と話した。スポーツウェアを提供する会社との連携なども考えているという。またNTTの村瀬氏は「B to B、B to Cなど様々な可能性を検討している。遊びの領域から専門的な分野まで幅広く提供していきたい」と回答した。

hitoeはウェアを縫製してから付けるのか、という質問に東レの桑原氏は「できているTシャツの中にアップリケをつけるようなイメージ。そこに、電極と電極をつなぐ導線をつないでいく」と回答した。現在の技術で作れる範囲内で、もの作りをしているという。将来的には、生地や糸の中にあらかじめ組み込んだものを提供することも視野に入れているとのことだった。単価の想定は、という質問に東レの首藤氏は「用途、スペックにもよる。いまの段階では申し上げられない」と回答した。

フォトセッションで手を重ね合わせてポーズをとる(左から)東レの首藤氏、NTTの村瀬氏、NTTドコモの中山氏

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