日産自動車は1月21日、日産とインドのタタ コンサルタンシー サービシズ(TCS)が共同で開発した大規模ソースコード解析技術における、日産が所有する特許とノウハウのライセンスをTCSに供与することを発表した。

開発された大規模ソースコード解析技術は、ソフトウェアの開発初期段階において、ソースコードを解析しバグを発見するソフトウェア(静的解析ツール)で、数百万行におよぶ大規模ソースコードを短時間で解析し、バグを発見することを可能にした技術。日産では、主にカーナビゲーションのソースコードの解析に活用されているという。

今回のライセンス供与により、TCSは自社のソースコード静的解析ツール「TCS ECA」をカーナビゲーションのような自動車関連製品のほか、地上デジタルテレビやエアコン、医療機器、産業用ロボットなど大規模ソースコードを用いる製品を開発するさまざまな企業へ、幅広く販売することが可能になるという。

なおソースコードは、機器のエレクトロニクス化の進展による高機能化・高性能化に伴い大規模化が進んでおり、複雑化していることから、膨大な時間と工数を要するバグの発見と除去は製造業を生業とする企業にとっての共通した課題となっている。日産では、従来より自社で開発した技術やノウハウなどを自社での利用のみに留まらず、多くの分野で利用促進する取り組みにより、技術発展に寄与していきたいとの方針を示しているほか、これらの無形資産の有効活用によって得られる収入を、新たな技術開発に投資することで自社の技術開発を高めていきたいとしている。