NECならびにNECアクセステクニカは14日、無線LAN規格「IEEE802.11ac(正式版)/a/b/g/n」に対応した、最大通信速度867Mbpsの無線LAN(Wi-Fi)ルータ「AtermWF1200HP」(PA-WF1200HP)を発表した。1月23日より発売し、価格はオープン、店頭予想価格は10,000円前後。

AtermWF1200HP

AtermWF1200HPは、親機 / 子機 / 中継機という3つの動作モードに対応している。製品ラインナップとして、AtermWF1200HP単体のほか、「AtermWF1200HPイーサネットコンバータセット」(PA-WF1200HP/E)、「AtermWF1200HP USBスティックセット」(PA-WF1200HP/U)を用意した。前者は親機モードのAtermWF1200HPと子機モードのAtermWF1200HPを2台セットにした製品で、店頭予想価格は20,000円前後。後者はUSB 3.0およびIEEE802.11ac(正式版)/a/b/g/nに対応した無線LANインタフェースとAtermWF1200HPをセットにした製品で、店頭予想価格は17,000円前後。

AtermWF1200HPイーサネットコンバータセット

AtermWF1200HP USBスティックセット

正式版のIEEE802.11acは、2014年1月7日(米国時間)にIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc:米国電気電子学会)がリリース。今回のAtermWF1200HPに関する一連の製品も、IEEE802.11ac正式対応となっている。

5GHz帯のIEEE802.11ac/a/n、2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/nのそれぞれに「2本×2本」(送信×受信)のアンテナを内蔵。IEEE802.11ac時の最大通信速度は867Mbps、IEEE802.11a/b/g/n時は最大300Mbpsとなる(いずれも規格値)。アンテナにはNECの先端技術である小型かつ高感度の「μSRアンテナ」、そして不要ノイズ低減技術の「μEBG」を採用している。これら技術の詳細は別記事『「独自の技術で戦う」NECアクセステクニカ開発陣に聞く - Wi-Fiルータ「Aterm」とIEEE802.11ac製品への意気込み』を参照いただきたい。

有線LANインタフェースは、100BASE-TX対応のWANポート×1基、同じく100BASE-TX対応のLANポート×3基。セキュリティ機能は、WPA-PSK(TKIP/AES)、WPA2-PSK(TKIP/AES)、WEP(128bit)、MACアドレスフィルタ、マルチSSID(ネットワーク分離機能付き)、不正アクセス検出機能など。本体サイズは約W33×D97×H146mm、重量は約0.2kg。縦置き、横置き、壁掛け設置が可能だ。

先述の中継機モードを利用して、2種類の中継モードを搭載した。1つは「Wi-Fi TVモード中継」で、中継機AtermWF1200HPの両側(中継元の子機/中継先の親機)を5GHz帯で中継して安定した高速通信を行う。さまざまな動画もワイヤレスで快適に転送できることから「TVモード中継」と呼んでいる。親機/子機とも5GHz対応が必要となり、親機-中継機AtermWF1200HPと子機-AtermWF1200HPの通信は、それぞれ「1本×1本」(送信×受信)のアンテナを用いた最大433Mbpsとなる(IEEE802.11ac時)。

「Wi-Fi TVモード中継」のイメージ図(Atermステーションより)

もう1つの「Wi-Fi 高速 中継」は、親機と中継機AtermWF1200HPは最大867Mbpsの5GHz通信、中継機AtermWF1200HPと子機は最大300Mbpsの2.4GHz通信を行う。子機となるノートPCなどが、5GHzに対応していない(2.4HGzのみ)場合に有効だ。

「Wi-Fi 高速 中継」のイメージ図(Atermステーションより)

無線LANの簡単接続機能として、NFCを利用した『らくらく「かざして」スタート』を新たに搭載した。AtermWF1200HPに添付されるNFCタグに、NFC対応スマートフォンなどをかざすだけで無線LAN接続が完了する。これには専用アプリ『Aterm「かざして」スタート』が必要で、対応OSはAndroid 4.0以降。さらにAtermWF1200HPとインターネット接続の方法も案内してくれ、PPPoE接続の場合はユーザーIDとパスワードの入力画面が自動的に表示される。従来の接続機能である、QRコードを使う「らくらくQRスタート2」、ボタンを使う「らくらく無線スタート」も引き続き利用できる。