スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですからスペック表を見ると、専門用語のオンパレード……おいそれと比較はできません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「内蔵スピーカー」についてです。
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スマートフォンは、携帯電話やカメラ、ゲームデバイスなど複数の役割が期待されています。住所録やカレンダーなどソフトウェア(アプリ)で実現可能な機能を含めれば、スマートフォンが果たせる役割は無数と言っていいかもしれません。
なかでも必須の機能といえるのは「ポータブルオーディオ」としての機能かもしれません。音楽は国籍や性別、年代を問わず愛好者が多く、ソフトウェアを含めた市場規模は巨大です。Appleの「iTunes Store」、Googleの「Google Play Music」など音楽配信サービスも林立し、購入したスマートフォンによって利用できる音楽配信サービスも異なります。
これまでスマートフォンの音楽を聴く方法は、ヘッドフォン/イヤフォンを接続するか有線/無線で音声信号を出力するかでしたが、直接音を出して楽しめるよう高音質スピーカーを内蔵するスマートフォンが登場し始めました。スピーカーはアコースティック楽器と似た特性を持つため、筐体デザインに多くの制約があるスマートフォンで高音質を目指すことは困難ですが、メーカー各社の取り組みは始まっています。
その方法のひとつが、音響特性補正技術の採用です。たとえば、Xperia VLに採用され話題となったSONYの独自技術「クリアフェーズ」は、音の高低により差が現れてしまう出力を補正することで、スピーカーの特性に大きく影響されない聴きやすい音を生み出します。スマートフォンに内蔵された小さなスピーカーでも、それなりの迫力を出すことが可能です。
HTCが2013年5月に発表した「HTC J One」も、内蔵スピーカーの音質に力を入れています。液晶パネルを挟むよう前面に2基配置された小型ユニットは、水平方向に置くとステレオスピーカーとして利用できます。さらにサウンド補正システム「Beats Audio」を採用、不足しがちな低音域を補ってくれます。
音質を追求するとスピーカーにある程度の大きさは不可欠ですが、よりカジュアルに音を楽しみたい消費者のニーズがあることから、「内蔵スピーカーで高音質」をうたうスマートフォンは今後も登場することでしょう。
(記事提供: AndroWire編集部)