ヨーロッパ有数の自動車メーカーである"ルノー(Renault S.A.S.)"のロゴマークは不思議な「ひし形」をしています。これには、どのような意図が込められているのでしょうか。広報さんに聞いてみました。
ルノーはヨーロッパ有数の自動車メーカー
ルノー(Renault S.A.S.)は、フランス パリに本社がある自動車メーカーです。日本ではルノーブランドがあまり知られているとはいえませんが、ヨーロッパ有数の自動車メーカーなのです。日産自動車もルノーグループ内の一員です。前述のとおり、剛腕として知られるゴーンさんはルノーの会長と日産のCEOを兼任しています。
ルノーのロゴは来歴不明!?
世界的な自動車メーカーのご多分に漏れず、ルノーも長い歴史を持つ会社です。ルイ・ルノー(Louis Renault)が、彼の兄弟である、マルセル(Marcel)とフェルナン(Fernand)と一緒に、1899年に「Societe Renault Freres」という会社を設立したのがルノーの始まりです。
「Societe」は「会社」、「Freres」は「兄弟」ですから、日本語にすると「ルノー兄弟社」あるいは「ルノー・ブラザーズ社」といったところでしょうか。
肝心のロゴマークですが、最初に登場したのは1900年です。このときは、ルノー兄弟のイニシャルを絡めたものでした。そして、1906年、ルノー社が量産を開始したときには歯車をかたどったロゴになります。さらに、1919年、第1次世界大戦が終わったときには「FT-17」という戦車を描いたものになりました。FT-17はルノー製の軽戦車で、当時ルノー社は装甲車などを含めた軍用車両も製造していたのです。
1923年に円形のロゴマークに変更されます。続いて、1925年に初めて現在につながる「ひし形のマーク」(Renault's Diamond)が登場するのです。今では世界的に有名なこの「ひし形のロゴマーク」。実は来歴がはっきりしないのです。ルノー・ジャポン株式会社 広報グループに問い合わせたところ、以下のような回答がありました。
「現在使用されているルノーのロゴマークは、1925年にデザインされたひし形のロゴが元になっていますが、このロゴのデザインの経緯は、よく分かっていません。一番有力な説としては、ボディ前部の穴(クラクション用とも蒸気を逃がすためとも諸説あり)をふさぐのにひし形が最適だったから、というものです。その後、基本的なひし形のデザインは現在まで踏襲されますが、現在のロゴになったのは1992年です」
世界的な自動車メーカーのロゴの来歴が不明というのはとても不思議な気がしますね。「詳細が不明で、作者、色なども資料が残っておりません」とのことでした。
このひし形のロゴマークは以降もルノー社と共に歩み続けます。1959年、1972年、1992年とデザインに変更が加えられ、現在に至っているのです。
一番有力な説に従えば、「穴をふさぐ形としてこうなった」という機能面からデザインが採用されたことになります。他に類を見ない、とても個性的な理由ではないでしょうか。
なお、マイナビニュースでは、ルノー以外にも自動車メーカーであるBMWやアウディ、メルセデス・ベンツのロゴデザインの秘密についても紹介しているので、是非ご覧ください。
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(高橋モータース@dcp)