12月20日と21日に米フロリダ州ホームステッドで行われたDARPA(米国防総省国防高等研究計画局)主催の災害対応ロボット競技会「DARPA Robotics Challenge Trials 2013」で、日本から参加したSCHAFTが優勝した。

自然災害や事故などの現場で活動するロボットの技術開発を促すのがDARPA Robotics Challengeの目的であり、ロボットが人間の代わりに活動できる能力を示す競技を参加チームが競う。Trial 2013と付いているように、今年の競技会は本大会に向けた前哨戦にあたる。本大会は2014年末に開催される予定で、優勝チームには賞金200万ドルが贈られる。

Trial 2013には、米国、日本、中国、韓国などから17チームが参加した。注目は、Googleによる買収が明らかになったSCHAFT。東京大学情報理工学系研究科・情報システム工学研究室からスピンアウトしたロボットベンチャーのチームだ。HRP-2ベースのロボットで参加した。そして、NASA Johnson Space CenterのチームValkyrieが開発した「VALKYRIE」。また多くのチームが人間と同じぐらいのサイズの2足歩行ロボットを採用する中、NASAのJet Propulsion Labsが開発した小型のサルのような動きをする「RoboSimian」も話題になった。

SCHAFTのHRP-2ロボット (出典: DARPA Robotics Challenge)

Jet Propulsion Labsの「RoboSimian」 (同)

Boston Dynamicsの「ATLAS」 (同)

競技は「Vehicle (車の運転と降車)」「Terrain (でこぼこコース歩行)」「Ladder (はしご)」「Debris (がれき)」「Door (ドア)」「Wall (壁・ドリル操作)」「Valve (3種類のバルブ)」「Hose (ホースの取り出しと接続)」の8つ。SCHAFTは、風のトラブルでポイントを失ったものの全てのタスクを完了して27ポイント (32ポイント満点)を獲得。2位のIHMC Robotics (20ポイント)に7ポイントの差をつける圧倒的な勝利だった。

2位のIHMCや4位のMIT (16ポイント)は、Boston Dynamicsが開発したヒューマノイドロボット「ATLAS」に独自のプログラムを組み合わせて参戦した。Boston Dynamicsも今月中旬にGoogleによる買収が報じられたばかりであり、DARPA Robotics Challenge Trials 2013はAndy Rubin氏が率いるGoogleのロボティクスプロジェクトが存在感を示したロボット競技会になった。