Apple「iBeacon」での採用や「PayPal Beacon」の発表で一躍話題となった「ビーコン」と、その基礎技術である「Bluetooth Low Energy (BLE、Bluetooth Smart)」に関する話題がいまホットだ。本稿ではいま話題のBLEとビーコン技術、そしてそれを応用したモバイルショッピングまで情報を一通り整理し、実際にどういったことが可能な技術なのか最新トレンドを追いかけてみる。
そもそも「Bluetooth Low Energy (BLE)」ってどういう技術?
「Bluetooth Low Energy (BLE)」とは、標準化団体のBluetooth SIGが定めた低消費電力仕様で、Bluetooth 4.0以降の標準仕様に含まれている。従来のBluetooth規格("Classic"などの名称で呼ばれる)との直接的な互換性はないものの、多くの機器では引き続きClassicとBLEの両方をサポートしており、こうした端末は「デュアルモード対応」などと呼ばれる。ただし、BLEは従来のBluetoothよりも利用範囲を拡大するため、腕時計や健康メーターなど、いわゆるウェアラブル機器での搭載を想定している。こうした機器ではBLEのみのサポートとなっていることがあり、この場合、Classicとの互換性は確保されない。
Bluetooth SIGではマーケティング用語として、BLEのみをサポートするデバイスを「Bluetooth Smart」、デュアルモード対応のデバイスを「Bluetooth Smart Ready」の名称で呼んでいる。つまりBluetooth Smart ReadyとなっているPCやマウスは従来のBluetooth 1.1や2.0といった規格の機器とも互換性がある一方で、Bluetooth SmartとなっているデバイスはBluetooth 4.0以降のデバイスとしか接続できない。一般に、Bluetooth機器は親となる"ハブ"に、子に当たる"ペリフェラル"("スレーブ"ともいう)が複数ぶら下がって通信を行うスター型のトポロジを構成する。この場合、ハブに該当する機器はBluetooth Smart Readyであることが望ましいというわけだ。PC以外のデバイスでいえば、iOSではすでに標準サポートされ、iPhone 4S以降のハードウェアであれば対応可能になっている。
Androidではv4.3でOSでの標準サポートが行われ、BLE対応モジュールを積んでいるデバイスであれば利用可能になった。