海外でも使えるスマートフォンや携帯電話を利用しているなら、旅行などで渡航した際にも現地で活用したいところだ。携帯各社が提供する国際ローミングサービスでは、これまでも1日定額制の海外パケット通信サービスが用意されていたが、定額料が割高であることがネックになっていた。そのため、海外でスマートフォンなどを活用したくても、料金を気にして足踏みしていた人も多いかもしれない。

NTTドコモが12月2日から提供開始する「海外1dayパケ」は、そんな悩みを抱えていた人に最適な海外パケット定額サービスだ。1日980円からの定額料でパケット通信を利用でき、利用開始操作をしてから24時間通信できるのが特長。年末年始に海外旅行をする人や、12月8日にハワイ・ホノルルで開催される「JALホノルルマラソン2013」の参加者などにとっても便利なサービスだ。本稿では、海外1dayパケの詳しい内容を解説しながら、その活用法についても紹介していきたい。

「海外1dayパケ」とは、どんなサービス?

海外1dayパケは、ドコモが12月2日から提供する海外渡航者向けのパケット定額サービス。渡航先で利用開始操作をしてから24時間パケット通信が利用でき、定額料は国・地域別で3種類に分かれ、980円、1,280円、1,580円のいずれかとなっている。サービス開始時点で94の国・地域に対応する。

なお、利用には、同社LTEサービス「Xi」または3G「FOMA」の総合プランかつ国際ローミングサービス「WORLD WING」、spモードまたはiモードなどインターネット接続サービスの契約が必要。また、同社のAndroidスマートフォン/タブレット向けに、専用アプリの「海外1day開始」も提供される予定で、アプリから簡単に利用開始操作ができるようになっている。このほか、専用ダイヤルに発信することでサービスを利用開始することも可能。

専用アプリ「海外1day開始」の利用イメージ

ドコモでは、これまでも海外パケット定額サービスとして「海外パケ・ホーダイ」を提供してきた。海外パケ・ホーダイでは、1日単位の2段階定額制で20万パケット(約24.4MB)までが1日最大1,980円、20万パケットを超過した場合、1日最大2,980円である。わずかな利用であれば980円を下回ることもあるが、通常の使い方で考えれば海外1dayパケの定額料のほうが安い。なお、海外1dayパケでは、24時間以内にデータ量が30MBを超えた場合、通信速度が送受信時最大16kbpsに制限される(速度制限は利用開始操作を再度行うことで解除可能。新たに定額料も発生する)。ただし、通常の使い方であれば30MBでも十分利用できるだろう。

また、海外パケ・ホーダイと海外1dayパケでは、1日パケット定額における"1日"の基準が異なっている。海外パケ・ホーダイでは、日本時間の0時から23時59分59秒を1日として計算するが、海外1dayパケでは利用開始から24時間の通信が可能となっている。海外1dayパケのほうがわかりやすく、日本時間を気にせず利用できるのが特長だ。

他社の海外パケット定額サービスとの比較

このように、海外1dayパケは従来の海外パケ・ホーダイよりも、定額料が安く、好きなときに24時間利用できるのが特長となっている。それでは、他社の海外パケット定額サービスについても確認してみよう。

KDDI(au)が提供している海外パケット定額サービスが「海外ダブル定額」だ。ドコモの海外パケ・ホーダイと同様に1日単位の2段階定額制となっており、データ量約24.4MBまでが最大1,980円、以降は最大2,980円。なお、日本時間の0時から23時59分59秒を1日として計算し、この基準も海外パケ・ホーダイと同様だ。

また、ソフトバンクが提供している海外パケット定額サービスの「海外パケットし放題」では、1日単位の2段階定額制で、データ量25MBまでが最大1,980円、以降は最大2,980円。こちらも、日本時間の0時から23時59分59秒が1日として計算される。

KDDIとソフトバンクのパケット定額サービスは、ドコモの海外パケ・ホーダイとほぼ同様の内容となっており、日本時間を基準とした2段階定額制となっている。1日980円からの定額制で、利用開始から24時間通信できる海外1dayパケが、他社と比べてもお得なサービスであることがおわかりいただけるだろう。

海外1dayパケの活用法を考える

それでは、ドコモの新サービス、海外1dayパケの具体的な活用法について考えてみよう。1日980円からの定額制で24時間利用できる海外1dayパケは、これまで海外でローミングを利用したことがないユーザーにもおすすめだ。メールの送受信や「LINE」などのチャット、Webサイトの閲覧など、使えると便利なちょっとしたパケット通信を気軽にかつ安心して利用することができる。

また、ドコモでは海外でも便利に利用できるサービスとして、母国語同士を使ってコミュニケーションできる翻訳サービス「はなして翻訳」を提供している。また、2014年2月からはドコモのスマートフォンをかざして決済できる「iD/PayPass」が提供開始される予定で、MasterCard PayPass加盟店において、スマートフォンをかざすだけで買い物ができるようになる。なお、12月8日に開催されるホノルルマラソンに合わせて、ハワイでは12月よりiD/PayPassが先行体験できるキャンペーンが実施される。海外1dayパケを使えば、これらのドコモの海外向けサービスも便利に活用できるだろう。

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ドコモが12月2日から提供開始する海外パケット定額サービス「海外1dayパケ」について紹介してきた。1日980円から利用できる手頃な定額料と、利用開始から24時間通信できることが同サービスの特長。いつも使っているスマートフォンや携帯電話を海外でも気軽にかつ安心して利用でき、これまで海外でローミングを利用したことがない人にもおすすめだ。年末年始に海外旅行をする人や、ホノルルマラソンに参加する人(ハワイで利用する場合の定額料は1,580円)などは、ぜひ現地での通信手段として、海外1dayパケを検討してみてはいかがだろうか。