以上がSIMフリー版iPhoneのメリットと購入における注意点だ。「国内正規版」であるという点で、海外でのSIMフリー版iPhone購入よりも「保障がついてくる」「正式に堂々と利用できる」「ソフトバンク等の安価な契約プランが利用可能」という点でメリットがあるのだが、「高価」であることと「設定や契約は自己責任」という点で携帯キャリア版より購入のハードルは高くなっている。

総論としては、設定や契約のスキルのあるプロフェッショナルユーザー向けの製品であり、端末のハードウェアだけでなくサービスも含めて保障される携帯キャリア版を、一般ユーザーには依然としてお勧めしたい。海外で手持ちの端末を安価な料金で通信端末として利用できるメリットはあるものの、手間暇を考えれば、やはり短期滞在では海外パケット定額のほうが便利で安いというケースもある。あるいは海外で利用できる携帯用Wi-Fiルータを空港でレンタルし、それにiPhoneを接続する方法も考えられる。今回のSIMフリー版iPhoneをお勧めできるのは下記のようなユーザーだ。

  • 国内でMVNOのサービスをもっと柔軟に活用したい

  • 大手キャリアの複雑な契約システムを熟知して、最適なプランを選べるスキルがある

  • 海外で現地携帯キャリアと契約して手持ち端末をそのまま利用したい

確かにSIMフリー版iPhoneの国内正式販売で恩恵を受けるユーザーはいるものの、その数は比較的限られているというのが筆者の予想だ。