一方、コンテンツ面で孫社長が狙うのはスマホゲーム市場だ。アプリ売上の内訳を表したデータによると、App Storeの73%、Google Playの82%をゲームが占めており、モバイルゲーム市場は昨年の123億ドルから今後5年間で296億ドルに急成長することが見込まれている。国内2000万ダウンロードを達成したヒットゲームアプリ「パズル&ドラゴンズ」のガンホーを子会社化したのには、そうした理由があるのだ。

「パズル&ドラゴンズ」についてはピークが過ぎたとの見方もあるが、孫社長は「実態は違う」と述べる。なぜならガンホーの売上の9割は日本国内でのものであり、他の国での展開はまだ始まったばかりだからだ。

同社CEOのllkka Paananen氏(右)も登壇

とはいうものの、ガンホーには日本以外の国でゲームを売るノウハウがない。そこでソフトバンクが買収したのが、「Clash of Clans」「Hay Day」というヒットゲームアプリを開発したフィンランドのゲーム会社「Supercell」だ。当日、登壇した同社CEOのllkka Paananen氏は、「今後、ゲームはモバイル化していく。社員やユーザーから愛される会社を作るためにはパートナーが必要。ソフトバンクは理想的なパートナーです」と挨拶。ガンホー、Supercellをグループに引き込んだことで、孫社長は「スマホゲームでも世界No.1へ」と意気込みを示した。

代表作は「Clash of Clans」「Hay Day」

ソフトバンクとガンホーで51%の株式を取得

孫社長は携帯卸売事業者の米Brightstarの買収についても触れ、「2位に倍の差をつけて世界1位になった」とコメント。ドコモとは5~6倍、KDDIとは10倍差になったとのことで、今後は端末を大量に仕入れることで調達コストを下げる狙いだ。

今年度の営業利益は一時益を含んで1兆円を達成する見込みのソフトバンクだが、孫社長は「来年度は実質3割の増益を約束する。一時益を含まずに1兆円を達成したい」と自信をのぞかせた。

来年度は一時益を含まずに営業利益1兆円を目指す