続いて孫社長は、同社の核となる携帯電話事業について発表を行った。注目はNTTドコモからiPhoneが発売になったことで、ソフトバンクにどのような影響があったのかという点だ。
これについて孫社長は、2005年1月から2013年9月までの月別純増No.1キャリアを図で示し、NTTドコモからiPhoneが発売になった9月においても純増No.1はソフトバンクだったことをアピール。同氏は「今までソフトバンクはiPhoneがあったからうまくいったと思われていました。NTTドコモに(iPhoneが)新たに加わるとどうなるのか。心配していましたが、蓋を開けてみると我々が一番売れたということ」と胸を張った。
2013年度上期の純増数はNTTドコモが24万、KDDIが134万に対して、ソフトバンクは191万と他社を上回っている。ソフトバンクの数字には連結子会社であるイー・モバイルとウィルコムのユーザー数も含まれるが、それを除いても159万と他社を上回る数字だ。MNP転出入は28万ユーザーと前年同期比で約2倍、ARPUも4520円と、NTTドコモの4590円、auの4460円とほぼ同額で推移。孫社長は2008年からのARPUをグラフで示し、「他社のARPUは下げ止まっていない。大切なのはARPUと純増の掛け算であり、我々はARPUをコンスタントに保ちながら純増No.1を継続しています」と述べた。
なお、孫社長によると、かつてのボーダフォンジャパン買収は決して無謀なことではなかったという。「買収する直前にジョブズに会って、iPhoneを日本で独占的に取り扱わせてほしいという口約束を取り付けたからこそ、ボーダフォンジャパンを2兆円近くかけて買収しにいったのです。何の武器もなしに戦いに挑むほど馬鹿ではありません。武器を事前に準備して自分なりの自信が持てたから戦いを挑んだのです」(同氏)。