既報の通り、米AMDは7日(現地時間)、同社の次世代グラフィックカード「Radeon R9」シリーズならびに、「Radeon R7」シリーズ5製品に関するスペックを公開した。また、これに合わせてAMD本社よりプロダクトマネージャー Simon Ng氏とPRマネージャー Robert Hallock氏が来日し、報道陣向けの説明会を行った。(10月8日18時更新:ベンチマークテストの結果を追加)
PRマネージャー Robert Hallock氏 |
プロダクトマネージャー Simon Ng氏 |
「Radeon R9」シリーズならびに、「Radeon R7」シリーズに関しては、2013年9月25日に米国ハワイで行われた「AMD GPU14 TECH DAY」にて製品ラインナップを発表していたが、詳細なスペックなどは明かされていなかった。今回、ハイエンドモデルRadeon R9 290X/R9 290を除く5製品のスペックを公開した。
■「GPU 14」のレポートはこちら
【レポート】AMD GPU14レポート - AMDが語る2014年のGPU戦略、「Project MANTLE」の概要を初公開
■大原雄介氏によるRadeon R7/R9シリーズの解説はこちら
【レポート】AMD、Radeon R9 280XなどRadeon R9/Radeon R7シリーズ5製品の仕様を公開 - 各製品の詳細を解説
「Radeon R9」シリーズと「Radeon R7」シリーズでは、DirectX 11.2をサポートに加えて、高解像度ディスプレイ、新しい3D描画API「MANTLE」への対応、さらに一部モデルでオーディオ用アクセラレータ「TrueAudio」を搭載する。
今回仕様が明らかになったいずれの製品も既存のRadeon 7000シリーズでも採用されているGCNアーキテクチャをベースとした製品で、スペックも既存製品に近いが、Hallock氏によると「それぞれの価格帯に向けて新たに設計されたもの」だという。
"ゲーマーのスウィートスポット"を狙う「R9 280X」「R9 270X」
「R9 280X」「R9 270X」はそれぞれ299米ドル、199米ドルという「ゲーマーのスウィートスポットにマッチした製品群」(Ng氏)という位置付けで、「R9 280X」は2,560×1,440ドットでのゲームプレイや、Battlefield 4といった負荷の高いゲームに向けた製品としている。一方の「R9 270X」は1,920×1,080ドットのフルHD解像度、高品質の表示設定で快適なゲームプレイが可能だという。
スペックは以下の通りで、「R9 270X」は2GBメモリ搭載モデルと4GBメモリ搭載モデルを用意する(4GBメモリモデルは229米ドル)。
150米ドル以下の市場を狙う「R7」シリーズ
Ng氏によると、全世界で50億枚のグラフィックスカードが販売されているが、そのうちの90%は150米ドル以下の製品だという。このマーケットをターゲットとするのが「R7」シリーズだ。
ミドルレンジに位置付けられる「R7 260X」は139米ドル、ローエンドのR7 250とR7 240はそれぞれ89米ドルといった値付けとなっている。R7 250とR7 240に関しては「OEM向けに提供していた製品をベースとしている」(Hallock氏)という。スペックは以下の通り。
GIGABYTEやASUS、MSI、SAPPHIREなどのメーカーから、「Radeon R9」シリーズならびに、「Radeon R7」シリーズを搭載したグラフィックスカードが市場に投入される予定だ。
「R9 280X」「R9 270X」「R7 260X」ファーストインプレッション
マイナビニュース編集部ではRadeon R9/R7シリーズのうち、「Radeon R9 280X」「Radeon R9 270X」「Radeon R7 260X」をそれぞれ搭載したグラフィックスカードを入手することができた。そこでファーストインプレッションとして「3DMark Vantage」「3DMark 11」「3DMark」と各種ゲームベンチマークを実行した結果を紹介する。
入手できたのは、Radeon R9 280X搭載カードがMSI製の「R9 280X GAMING 3G」、Radeon R9 270XとRadeon R7 260X搭載カードはAMDのリファレンスモデルだ。「R9 280X GAMING 3G」はOCモデルで、動作周波数をリファレンスの1,000MHzから1,050GHzへ引き上げている。
上記の発表会の様子でお伝えしたように、今回仕様が公開された製品は「既存の製品をベースに開発」されているという。スペックなどから判断すると大原氏の指摘通り、Radeon R9 280XはRadeon HD 7970 GHz Edition、Radeon R9 270XはRadeon HD 7870 GHz Edition、Radeon R7 260XはRadeon HD 7790がベースになっているものと思われる。元になった製品とのスペック比較は冒頭にリンクした大原氏の解説を参照してほしい。
今回はAMDがRadeon R9 280Xの対抗製品として位置付けている「GeForce GTX 760」をレビューした際の環境(表1)が残っていたため、こちらのデータを参照しつつ性能を評価した。GeForce GTX 760のレビューでは、GeForce GTX 780/GeForce GTX 770/Radeon HD 7970のデータも計測している。最新のRadeonをこれまた市場投入からそれほど経過していないGeForce GTX 700シリーズ全体と比較してみたい。
■今回のテスト環境 | |||||||
GPU | R9 280X | R9 270X | R7 260X | HD 7970 | GTX 780 | GTX 770 | GTX 760 |
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グラフィックスカード | R9 280X GAMING 3G | リファレンス | HD7970-3GD5 | リファレンス | |||
GPUドライバ | Catalyst 13.11 BetaV1 | GeForce Driver 320.39 | Catalyst 13.6 Beta | ||||
CPU | Intel Core i7-3770K | ||||||
M/B | ASRock Fatal1ty Z77 Professional(Intel Z77 Express) | ||||||
RAM | Kingston KHX14400D3K2 2GB×2枚 | ||||||
Storage | Samsung SSD 840 250GB | ||||||
Power | ANTEC TruePower Quattro 1000W 80 PLUS | ||||||
OS | Windows 8 Pro 64bit(Build 9200) |