デベロッパー部門には79チームが、アーキテクト部門には11チームが参加
9月21日と22日の2日間にわたり、ETロボコン2013東京地区大会が、早稲田大学西早稲田キャンパス63号館で開催された(画像1)。今年は従来の内容を引き継いだデベロッパーに加え、より高度なアーキテクトの2部門が開催される形となった。デベロッパーは合計79チーム(Aブロック40、Bブロック39)が、アーキテクトは合計11チームが(Aブロック6、Bブロック5)エントリーし、熱戦を展開。その模様をお届けする。
ETロボコンは、ソフトウェア・モデリング+ロボット制御を題材としたコンペティションだ。初級技術者を中級以上に引き上げることに加え、今年からはより上級の創造力やプレゼンテーションなどを重視するアーキテクト部門を創設し、ものづくりだけでなく「ことづくり」ができる技術者の育成も見据えて開催。日本からスティーブ・ジョブスのような、サービスやビジネスそのものを生み出せるエンジニアを今後10年先を見越して育てようということを目的としている技術者向けのロボコンである。
具体的には、レゴ・マインドストームNXTを使った倒立二輪振子型のロボット=走行体(画像2)を使って、競技フィールド上のベーシックコースをゴールまで走ってそのタイムを競うデベロッパー部門と、走行体を使うのは同じだが、制限時間や公序良俗などさえ守ればさまざまな機材を持ち込んでどんなパフォーマンスをしてもいいというアーキテクト部門がある。
まずデベロッパー部門から紹介していくが、同部門は組込みシステム開発、学習の入門者および初級者を対象としている。昨年までの競技内容が引き継がれたのがこの部門だ。ただしルールが若干変更された上に、より入門者・初心者でも参加しやすいよう、難易度も若干ながら下げられている。競技は、2チームが1組となって2回行い、第1競技と第2競技ではインコースとアウトコースを入れ替えて走る。どちらが勝った負けたではなくて、全チームを対象にしてタイム順に競技部門の順位が着けられる形だ。
コースは大きくベーシックステージとボーナスステージがある(画像3・4)。スタート地点(画像5)の左下にピンク色の太いラインが引かれた部分があるが、これがゴール(画像6)で、ここまでがベーシックステージ。ベーシックステージを走りきると完走ということで、そこまでのタイムが走行タイムとして記録される仕組みだ。
またマップのベーシックステージにある赤丸は中間ゲート(画像7~10)の位置を示したもので、ここを通過するとボーナスタイム-5秒が得られる。ゴールでもボーナスを得られ、-10秒。よって、ゴールさえできれば(後述するがショートカットしなければ)自然と-30秒のボーナスを得られ、スタートでリモートスタートを選んでいれば、さらに-5秒のボーナスを得られるというわけだ。ちなみに昨年は、第4中間ゲートがベーシックステージのゴールだった。
そしてゴールから先、右下のガレージまでがボーナスステージだ。今年はスタートからゴールまでのベーシックステージの距離が延長され、その分ボーナスステージの距離が短くなり、それに伴って難所の数も1つ減らされた。ボーナスステージには難所が2つずつ用意されており、インコースはルックアップゲート(LUG)(画像11・12)と、最後のガレージ(画像13・14)。アウトコースはシーソー(画像15・16)とガレージだ。シーソーは例年通りだが、LUGは今年はカーブの上に設置されており、ガレージ方向へ向かって右に曲がりながら通過しなければならなくなった。
LUGとシーソーは1回通過のシングルだと-5秒、一度戻って2回通過(シーソーは板の上から降りてはいけない)するとダブルで-10秒、ガレージインは-5秒のボーナスを得られる。よって、パーフェクトを達成すると、インもアウトも-50秒のボーナスを得られるというわけだ。なお、ベーシックステージで転倒してしまうとリタイヤとなるが、難所のあるボーナスステージでは倒れても終了となるだけで、ゴールしているので走行(完走)タイムは記録される。