EvernoteとAdonitは9月26日(現地時間)、本物のペンのような感覚で書けるiOSデバイス用スタイラス「Jot Script Evernote Edition」を発表した。価格は74.95ドルで、出荷予定日は10月25日。Evernoteがコラボレーション製品を販売するEvernote Marketで、現在予約注文を受け付けている。

既存のタブレットやスマートフォンで使えるスタイラスペンはペン先が太く、手書きの感じはペンよりもクレヨンやマジックに近い。書いている部分がペン先に隠れてしまって、小さな文字が書きづらい。Jot Scriptはペン先のチップの細さがわずか1.9ミリ。Adonitによると、既存のスタイラスで最も細いものでも6.0ミリ。Jot Scriptはその1/3の細さだ。本物のペンと同じようにペン先がとがったJot Scriptでは、ペン先に邪魔されることなく、ナチュラルな手書きを行える。

指もスタイラスも、既存の手書き方法はタッチスクリーンに触れる部分が太すぎて書きにくい。

Evernote Conferenceで「Jot Script Evernote Edition」を発表するEvernoteのCEO、Phil Libin氏。「気に入っているペンで書いているような細字のスタイラスを実現した」というAdonit共同創設者Kris Perpich氏のコメントを紹介。

これを実現しているのがPixelpointという独自技術だ。iOSデバイスにおいて、Jot Scriptは通常のスタイラスのように使えるが、その実力を発揮するのはAdonitのSDKを統合したiOSアプリで使用した時だ。iOSデバイスのスクリーンに触れたチップの位置とペンの傾きの情報が、加速度センサの情報と共にBluetoothを通じて対応アプリに伝わる。これによってピクセルポイントという名前が示すような正確で細かい手書きが可能になるという。Evernoteが提供する手書きアプリ「Penultimate」がPixelpoint技術をサポートしており、まずはJot Script Evernote EditionとPenultimateの組み合わせで同技術が登場することになる。

ステンレスとアルミ、プラスチックが使われていて、重すぎず、持つ部分は適度に太い。単四電池を入れた状態で、手に持った時のバランスが良くなるようにデザインしたという。

Jot Scriptは単四電池で動作し、Bluetooth 4.0をサポートする全てのiOSデバイスで使用可能。サイズは長さが14.1センチ、太さが1.2センチ。電池を含む重さは29グラムだ。なおPixelpointはデバイスに使われているスクリーンごとの最適化を行っている。そのため将来Androidデバイスがサポートされるにしても、フル機能を利用できる機種が限られる可能性がある。