米Intelは4日(現地時間)、「Avoton」と「Rangeley」の開発コード名で知られる、高密度マイクロサーバやストレージ、ネットワーク機器向けの64ビット対応低消費電力SoC「Intel Atom C2000」シリーズを正式発表した。

「Intel Atom C2000」シリーズのパッケージ

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「Intel Atom C2000」シリーズは、64bit対応のSoCとして第2世代となる製品で、AvotonとRangeleyのいずれも、22nmプロセスのマイクロアーキテクチャ「Silvermont」(開発コード名)をベースに開発。最大8コアを搭載するほか、PCI Express Gen2やメモリ、Ethernet、SATA、USBといったI/Oを統合した。また、メモリは2chのDDR3/DDR3L-1600に対応し、最大64GBまでの容量をサポートする。

「Intel Atom C2000」シリーズの構成

パッケージサイズは前世代の「Intel Atom C1200」シリーズと同じだが、I/Oを統合することでシステム全体における実装面積を減らしている

「Silvermont」に関しては、すでに詳細が公開されているが、Out-of-Orderエンジンの採用や、SSE4.1、4.2などの拡張命令に対応する。加えて、22nmのTir-Gateや電力管理の強化で電力効率が向上した。

■「Silvermont」の発表記事はこちら
Intel、次世代Atomコア「Silvermont」披露、消費電力1/5でピーク性能3倍

最新のアーキテクチャを採用することで、Intel Atom C1200シリーズと比較では、エネルギー効率が最大6倍、パフォーマンスが最大7倍向上したという。

Avotonはマイクロサーバやストレージといった市場に向けて、Rangeleyはネットワーク機器向けに提供する。AvotonとRangeleyはシリコンレベルでは同一の製品だが、Rangeleyは「Intel QuickAssist Technology」で利用する"cript accelerator"を搭載し、ネットワーク機器向けの機能を備えている。

ターゲットセグメント

製品ラインナップは、Avotonの5モデルについて発表されている。Rangeleyについては正式なアナウンスはされていないが、Intelの資料によると8モデルが確認できる。

■表1 「Intel Atom C2000」シリーズ(Avoton)
型番 コア/スレッド 周波数(Base/Turbo) L3キャッシュ TDP 100個受注時の単価
C2750 8/8 2.4GHz/2.6GHz 4MB 20W $171
C2730 8/8 1.7GHz/2.0GHz 4MB 12W $150
C2550 4/4 2.4GHz/2.6GHz 2MB 14W $86
C2530 4/4 1.7GHz/2.0GHz 2MB 9W $70
C2350 2/2 1.7GHz/2.0GHz 1MB 6W $40

各モデルの位置付け。Rangeleyについてもある程度確認できる