米Intelは5月6日 (現地時間)、次世代Atomのマイクロアーキテクチャ「Silvermont」(開発コードネーム)の詳細を公開した。22nmのトライゲート(Tri-Gate)技術で製造。低消費電力を実現したプロセス技術に最適化したアーキテクチャとの相乗効果によって、Silvermontは現行世代のAtomプロセッサコア(Saltwell)に比べて同程度のパフォーマンスで1/5程度の消費電力、または最大3倍のピーク性能を実現するという。スマートフォンやタブレット、マイクロサーバ、ネットワークインフラ、ストレージのほか、エントリー向けモバイルPC、車載インフォテインメントシステムなど幅広い市場に対応する。

22nmのトライゲートトランジスタを採用、低消費電力・高パフォーマンスのマイクロアーキテクチャ「Silvermont」

Silvermontは最大8コアまでの拡張が可能。効率性に優れたアウトオブオーダー(Out-Of-Order)エンジンの採用によってシングルスレッドの実行性能が向上した。従来同様にCステートをサポートしながら、シングルコアおよびマルチコアに対応するBurst Technology 2.0が省電力レンジで優れた反応性を引き出す。例えば、熱および電力の枠の中でCPUとGPUが効果的に余剰性能を共有するなど、ダイナミックに性能を引き出す動作レンジが拡大している。また、Westmereアーキテクチャ相当に拡張した命令セットを備える。Intel VT-x2、AES-NIやIntel Secure Keyなど、仮想化およびセキュリティ管理機能の強化によってビジネスやエンタープライズのニーズに幅広く応えられるようになった。

効率よく幅広いレンジでパフォーマンスを引き出す

「Silvermont (SLM)」と現行のAtomプロセッサコア (Saltwell: STW)の消費電力とパフォーマンスを比較

Silvermont搭載製品は2013年後半に登場する予定だ。タブレット向けクアッドコアSoC「Bay Trail」(開発コードネーム)は2013年ホリデーシーズン向け製品に搭載される見通しで、スマートフォン向けSoC「Merrifield」(同)が2013年末に顧客向け出荷となる。マイクロサーバ向けAtomプロセッサSoC「Avoton」(同)とネットワークインフラ向け「Rangeley」(同)は2013年下半期に登場するという。