カシオ計算機は29日、電子ピアノ「Privia」(プリヴィア)シリーズの新製品として、「Privia PX-A100」と「Privia PX-A800」を発表した。Priviaの1号機が発売されてから、2013年10月で10周年となることを記念したモデル。どちらも9月20日から発売し、価格はオープン。

Privia PX-A100

Privia PX-A800

Privia PX-A100は、従来のデジタルピアノとは異なる斬新な本体カラーを採用。メタリックレッドとメタリックブルーの2色から選べる。スピーカー出力は8W+8Wで、ヘッドホン端子×2、MIDI用USBポートを搭載。本体サイズはW1,322×D286×H135mm、重量は11.1kg。別売のスタンドを取り付けた場合、高さが760mm、重量が21.1kgとなる。

スタンド一体型のPrivia PX-A800は、木のぬくもりをイメージしたナチュラルオーク調の仕上げで、本体上部の天板を開閉する構造も備えた。天板を開くと、音の広がりを漢字ながら演奏を楽しめる。加えて、グランドピアノの大屋根開閉による音の変化を、デジタル技術で再現するリッドシミュレーターも搭載。4段階の開閉レベル効果を選択でき、演奏者の好みに合った音で弾ける。スピーカー出力は20W+20Wで、ヘッドホン端子×2、ライン出力、MIDI用USBポートおよびUSBメモリ用USBポート(演奏録音)を搭載。本体サイズはW1,367×D299×H837mm、重量は35.5kg。

両モデルとも、グランドピアノの音色を充実させ(10音色)、さらに10種類のホール音響シミュレーターを搭載。グランドピアノは、グランドピアノ・コンサート、グランドピアノ・ロック、グランドピアノ・ジャズ、グランドピアノ・クラシック、グランドピアノ・ポップ、グランドピアノ・ダンス、グランドピアノ・LA、グランドピアノ・メロー、グランドピアノ・ブライト、ピアノパッド。その他、エレクトリックピアノ、FMエレクトリックピアノ、60'sエレクトリックピアノ、 Dynoエレクトリックピアノ、 ストリングス、パイプオルガン、 ジャズオルガン、ベース(低音部専用)といった音源を内蔵する。

ホール音響シミュレーターは、N.Y.クラブ、スコアリング・ステージ、ドイツ・チャーチ、オペラホール、ヴェニス・ホール、L.A.ホール、ベルリン・ホール、フレンチ・カテドラル、ブリティッシュ・スタジアム、スタンダード・ホール。

外装の仕上げにも気を配り、デジタルピアノの新しい楽しみ方を提案するとしている。また、下記の「マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR(Acoustic and intelligent Resonator)」音源をはじめとする、Priviaシリーズならではの演奏表現力も受け継いでいる。

マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR音源のイメージ図

マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR音源とは、鍵盤が押されて発音してからの音の伸び、そして消音するまでの時間的な音色の変化を自然に表現する技術。鍵盤を弾く強弱に応じた、余韻の長さまで表現できる。また、グランドピアノ(88鍵)のすべての共鳴音を、デジタル技術で精巧にシミュレートすることで、深く豊かな共鳴効果を実現。タンパーペダルを踏んだときに、すべての倍音が共鳴する効果や、ダンパー自体の動作音も再現している。

鍵盤には、高級感と滑らかな手触りを持つ象牙調/黒檀調の鍵盤を採用。3つのセンサーを備えた「3センサースケーリングハンマーアクション鍵盤II」により、同じ音の優れた連打性、鍵盤領域や打鍵の強さによる発音タイミングの変化を表現するハンマーレスポンスが得られる。Privia PX-A800は、鍵盤から指を離すスピードによって音色変化を表現するキーオフシミュレーターも備えている。

その他、レッスンや観賞用に便利な60曲のミュージックライブラリ、鍵盤の中央から左右を同じ音域として演奏できるデュエット機能、2種類の音色を重ねて演奏できるレイヤー機能、低音域/高音域で音色を分けられるスプリット機能などを搭載する。