XPS 27こそが「Dell Graphics Pro」の看板にふさわしい最大の理由といえるのが、「Adobe RGBカバー率99%」の広色域液晶の採用だ。しかも27型の大画面にWQHD(2,560×1,440ドット)という精細さも備えている。東芝「dynabook KIRA V832」や富士通「LIFEBOOK UH90/L」のように13.3型や14型のサイズに超高密度に画素を詰めた液晶ではないため、画面に近づいてよくよく見ればドットを視認できる(約108.8dpi)。もっとも、適切な距離から見るかぎりドット感は気にならないだろう。
市販の27型WQHD液晶の価格は現在5万円以上というのが相場。これにAdobeRGB対応を追加すると7万円以上の出費は避けられない。そう考えるとXPS 27とXPS One 27の価格差は、むしろ良心的すぎるといってよい。
広色域をうたうだけあって発色はどこが不得意という部分はなく、グラデーションの表現も滑らか。写真の細かいニュアンスまでしっかりと表現することが可能だ。ナナメから見た際に色変化が少ないIPSパネルを採用しているが、安物IPSパネル特有のギラギラした感じ(スパークリング)はほとんど感じられない。
エックスライト社のキャリブレータ「i1 Display Pro」で色温度6500Kに調整し、生成されたカラープロファイルから色域を測定してみた。図(ガマット)の右上や左下に薄く存在する白い部分がAdobe RGB本来の色域だが、そのエリアをほぼカバーするどころか、赤はやや広めに調整されていることがわかる。Adobe RGBカバー率99%は大袈裟ではなく、まさに正真正銘ということだ。
さらにXPS 27では「Adobe Photoshop Elements 11」と「Adobe Premiere Elements 11」が標準で付属するため、本製品を導入すれば編集作業をすぐにはじめられる。Photoshop Elements 11はタッチ操作にも対応しているため、その気になれば指先でも編集作業が進められるのはよい点だ(オプションで「Lightroom5」を追加できるとなおよいが)。
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