続いてXPS 27の性能チェックに入ろう。従来モデルのXPS One 27と総合性能を比較するため、まずは「エクスペリエンス インデックス」および「PCMark7」を使用する。XPS One 27の結果は以前掲載したレビュー記事からの引用となる。

エクスペリエンス インデックスは「グラフィックス」の評価が2.1ポイントもアップしている点に注目したい。GPUがGeForce GT 640MからGeForce GT 750Mに変更されたことでこれほどスコアアップするとは考え難く(しかもメモリやゲーム用グラフィックスの評価はほぼ同じ)、おそらくドライバ等の熟成もスコアアップに貢献していると考えるのが自然だろう。CPUがCore i5-3330SからCore i7 4770Sとなったのに思ったよりスコアアップしていない(0.6ポイント)のは、少々肩透かしを食らった感じもあるが、これは次のPCMark7の結果も見て判断すべきだ。

■Windows エクスペリエンス インデックス
(新) XPS 27 (従来) XPS One 27
プロセッサ 8.0 7.4
メモリ(RAM) 8.0 8.1
グラフィックス 6.9 4.8
ゲーム用グラフィックス 6.9 6.8
プライマリハードディスク 5.9 5.9

続いてPCMark7の結果は、エクスペリエンス・インデックスの結果を疑いたくなるような性能差が表れている。XPS 27はHDDにSSDキャッシュ(iSRTを使用)を組み合せることでストレージ性能を稼いでいるが、それがPCMark7の総合スコアに絶大な影響を与えているのだ。もちろんCPUとGPUの強化によって計算力や描画性能も素晴らしく向上し、写真や動画編集等の処理を模したCreativityテストや動画変換系の処理が多いComputationテストでは倍近いスコアになっている。

■PCMark7
(新) XPS 27 (従来) XPS One 27
PCMark score 5626 3416
Lightweight score 3461 1808
Productivity score 2880 1293
Entertainment score 4389 3459
Creativity score 9497 5705
Computation score 18868 9458
System storage score 4498 2172

2つのテストの印象としては、軽く使う程度ならXPS One 27と大差ないように感じるが、ガッツリ使い込むユーザーならXPS 27の基本スペックの高さの恩恵が得られる、といったところだろうか。

ここからはXPS 27の性能を淡々とチェックしていくことにしよう。ストレージ性能を「CrystalDiskMark」でチェックする。SSDをキャッシュにしているだけあって、シーケンシャルリード235MB/secというのは通常のHDD単体(速い機種で200MB/sec前後)よりは若干速い。ちなみにシステムの起動時間は17.8秒、Lightroom 5の起動時間は4.8秒だった。

CrystalDiskMark (1000MB×5回、ランダムデータを使用)

続いてはGPU系のベンチマークである「3DMark」の結果だ。強化されたとはいえ、モバイル向けのGPUであるため、本格的なゲームをフルHD以上で遊ぶにはパワーが不足している。一番重い「Fire Strike」の描画はほぼ紙芝居状態だった。

3DMark

描画負荷が軽めのゲーム代表として「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編」で計測してみた。解像度をフルHD(1920×1080ドット)に設定し、画質を「最高品質」と「標準品質」の2通りで比較してみた。このベンチではスコア3500以上が快適プレイの目安とされているが、フルHD+最高品質では少々パワー不足だが、画質を標準品質まで落とせば快適なプレイが確実となる。軽めのゲームを軽めの画質でプレイする、というのがXPS 27におけるPCゲームとの付きあい方といえる。

FF14公式ベンチ (1920×1080ドット)。左が最高品質、右が標準品質

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