「PENTAX Q」シリーズの長兄にあたる「PENTAX Q7」が登場した。全体のイメージをそのままに、センサーサイズをQ10の1/2.3型から、約140%にサイズアップした1/1.7型に変更。そのほか、新機種としての各種性能と機能性の向上が図られている。今回、Q7ボディとQマウントレンズフルセットをお借りすることができたので、そのレビューをお届けしたい。

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アサヒペンタックス auto 110(オートワンテン)がデジタルで蘇った! とは、「Q」シリーズのレビューにおいて、すでに手垢にまみれた表現かもしれない。そのサイズといい、市販のカメラをそのままミニチュアにしたような可愛らしさ、それでいて本格的なレンズ交換が(行為として)愉しめる。そんな大人の趣味性あふれるカメラとして、確かに「Q」シリーズはauto 110のイメージだ。実際、開発の経緯としても、「Q」シリーズがもともと「auto 110デジタル」としてスタートしたことが、PENTAXのサイトでも紹介されている

正面。外見的な印象は「PENTAX Q10」とほぼ変わらない

グリップにこだわるPENTAXの姿勢が貫かれている

本体サイズは、約102.0mm(幅)×58.0mm(高)×33.5mm(厚)。質量は約200g(専用電池、SDカード含む)という軽さ

しかし、ことQ7に関しては、auto 110の楽しさを引き継ぎつつ、あくまでも遊びの延長上であったauto 110とは、微妙な立ち位置の違いもまた感じるのだ。1/1.7型裏面照射式CMOSセンサーと新画像処理エンジン「Q ENGINE」の採用により、Q10以前と比べて画質が大きく向上したQ7。画素数は1,240万画素と据え置きながらセンサーサイズが大型化したということは、つまり1画素あたりのサイズが大きくなり、受光性能が圧倒的に有利になったということだ。

背面液晶モニターは、約46万ドットの広視野角タイプTFTカラーLCD(ARコート)

シンプルな軍艦部。ホットシューが大きく見える

HDMIとPC/AVインタフェースは底面にある

正面のクイックダイヤルには、いくつかの機能から選んで操作を割り当てることができる

そのメリットは、RAW撮影後の明度や色の調整を楽しみたい層にとって大きな魅力となるだろう。高感度撮影もISO12800に対応。数年前のAPS-Cセンサー機をはるかに凌ぐと感じるほどの美しさだ。ぜひ、サンプルを見て頂きたい。ディテールの目視が困難なほどの暗所で撮影しているが、ISO6400でも十分実用に耐えると思う。なお、低輝度下の撮影におけるAF性能も向上した。実際、暗所を含む合焦精度は、K-5よりはるかに高いと感じる。

一眼ライクな電子ダイヤル中心のインタフェース

対応メディアはSD、SDHC、SDXCメモリーカード、Eye-Fiカード

撮影可能枚数はフラッシュ発光なしで約260枚(CIPA規格)

1/1.7型センサーが見える。超音波振動式センサークリーニング機能「DR II」も装備

つまり、Q7はもはや玩具的な可愛さや楽しさだけでなく、十分普通に使えるデジタルカメラとして完成されているのだ。そのポジションは、もはやauto 110がデジタル化された軸線上にはない。それより、もし「K-5」や「K-30」といった同社一眼レフカメラがぐっとコンパクトになったとしたら……。あるいは、評価の高いコンパクト機「MX-1」がレンズ交換式になったとしたら……。そんな「2つの"if"のいいとこ取りをしたカメラ」と考えると、その性格を捉えやすいと思う。

↑内蔵フラッシュをポップアップさせたところ

→外付けフラッシュ(ガイドナンバー60、社外品)を装着してみた

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