ヤンマーは25日、全社でブランドイメージを統一する目的のプロジェクト「YANMAR PREMIUM BRAND PROJECT」発表会にて、ファッションデザイナーの滝沢直己がデザインしたマリンウェア「Y-CONCEPT MW01 PREMIUM MARINE WEAR」ならびに農業用ウェア「Y-CONCEPT AW01 PREMIUM AGRICULTURAL WEAR」を公開した。

このたび発表されたマリンウェアおよび農業用ウェアは、奥山がデザインしたトラクターやクルーザーといったプロダクトのスケッチにインスピレーションを受けてデザインされたもの。ファッションデザインとは違った視点からの発想が必要であったということで、どちらも使用環境に適した機能性が最も重要なポイントとなっている。

マリンウェア一覧。左から 「パディングジャケット Women's / Men's」、「ダウンジャケット Women's / ダウンベスト Men's」、「3レイヤーパーカー Women's / Men's」

「ダウンジャケット Women's」(左)、「3レイヤーパーカー Men's」(右)

「パディングジャケット Men's」

マリンウェアは肌触りがよく伸縮性もある軽い素材を選び、後加工や縫製技術によって完全な防水性を追求。防風性や保温性にも優れるような工夫を施している。船上や狭い船内での動きにフィットするようなカッティング技術(立体裁断)を駆使し、ボディのチタニウムホワイトは"地平線に輝く光の色"、茜色のラインは"朝、夕に空を染める太陽の色"をイメージした。ジッパーやロゴマークに茜色を使用する事によって、海に浮かぶクルーザーのスピード感を表現。全アウター商品のロゴ部分に再帰反射加工を施すなど、安全性にも配慮している。

農業用ウェア一覧。左から 「アグリカルチャースーツ Men's / Women's」、「ジャンプスーツ Men's / Women's」、「サロペット Men's / Women's」

「ジャンプスーツ Men's / Women's」

「ジャンプスーツ」のヒップファスナー

また、農業用ウェアについては、仕事のための"作業着"ではなく、ユーザーの毎日が楽しくなるような"かっこいい服"を作りたいという思想がこめられている。デザインのプロセスでは、現場の農家の人々から、日常の作業に多い動きや体勢、ウェアに必要な機能、現在不便に思っていること、着てみたい色などをヒアリング。その結果、作業に費やされるエネルギーを少しでも軽減できる軽量の素材、動作のストレスを無くすためのカッティングを採用した。色は、大地と毎日向かい合って仕事をする人々の姿と同社の次世代農耕機のデザインから連想し、チタニウムブラウンを選択した。これをベースに、レディースには鮮やかなピンク、そしてメンズには黒をアクセントカラーに配置した。「アグリカルチャースーツ」には服の上から操作できるスマートフォン用ポケットを取り付け、「ジャンプスーツ」のヒップファスナーは、トイレの際に全身着脱をしなくて済むよう、左右どちらでも開閉することができるなど機能的な工夫が行われている。

発表会では、モデルが着用したすべてのウェアが披露された

なお、滝沢直己はISSEY MIYAKEのクリエイティブディレクターを経て独立したファッションデザイナー。ISSEY MIYAKE時代には佐藤可士和、森山大道、村上隆、奈良美智など多岐にわたる分野のクリエイターと意欲的にコラボレーションを行った。独立後はユニクロ(2011~)など多様なアパレルブランドのデザインディレクションやブランドリニューアルに携わる一方、金沢21世紀美術館、JPタワー学術文化総合ミュージアム・インターメディアテク(2013年3月にオープン)などといった美術館やレストラン、企業や文化施設のユニフォームデザインも手がけている。