Android用モバイルキーボードの最適解? 動作保証外ですが……

少々脱線するが、筆者はソフトウェアキーボードが苦手である。画面が9.7型のiPadのサイズでようやく入力する気になるが、スマートフォンの小型画面では、どうしても上手く入力できず、打ち間違いが非常に多い。自分自身、特別指が太いわけではないのだが、正直なところ、他の人がスマホのような小さい画面でHやKやXなどを親指で打てているのか理解に苦しむレベルで苦手だ。

結果、携帯電話でのテキスト打ちはメールやメモ程度の入力にとどめていたが、最近LINEを導入したせいで、長文を打つ機会が増えてしまった。あるグループのメンバー全員がよく長文を流すため、その返信で長文を入力する機会が増えたのだった。LINEを使う機会が多いのは、やはりスマートフォンなどのモバイルデバイスなので、長文を入力するのは苦労する。

本機の動作確認済みOSはWindows XP / Vista / 7 / 8。しかし、Bluetoothで接続できるのならば、Android端末でも動くのではないか? ということで、動作保証外ながら私物の「Xperia Z(SO-02E)」と接続してみた。丁度良いことに、本機も「Xperia Z」もNFC対応。早速、NFCでのペアリングから行ってみた。

本機のNFCはキーボード裏面の下部に内蔵。NFCマークがついている

「Xperia Z」と重ね合わせ、NFCで接続。事前に携帯側でNFCやBluetoothをオンにする必要がある

起動時やペアリング時は右上のランプが点滅。電源オフは長押しだが、起動時は右側面のスイッチを1度押すだけで手軽だ

「Xperia Z」のNFCをかざすと、「Xperia Z」が振動し、本機を検出。接続時には英語配列キーボードとして認識されたため、特殊キーがスムーズに入力できなかったが、日本語キーボードレイアウト用アプリ「日本語106/109キーボードレイアウト」を試したところ、特殊キーの入力も問題なく行えた。

「Xperia Z」との接続が完了

マルチメディアキーは有効のボタンと無効のボタンがあり、音量調節や検索ボタンは使用できた。[Home]、[End]、[Delite]や[Backspace]も問題なく、[CapsLock]も対応。なかなか快適である。

ここで感動したのが、トラックポイントの有用性だ。「Xperia Z」限定の話となるが、トラックポイントを動かすとマウスカーソルが出現。ホーム画面でカーソルを動かし、アプリのアイコン上でキーボードのクリックボタンを押すと、アプリが立ち上がる。キー入力が終わるとEscキーでアプリを終了。通常のWindows PCと近い感覚でXperia Z」を使用できてしまった。

せっかくなので件のLINEで長文を打ってみたが、カーソルを1文字分右にずらしたい場合などの細かい修正や、コピー&ペースト操作が圧倒的に楽だった。

カーソルキーや変換キーで文字候補を選べる

トラックポイントを操作するとカーソルが出現。1文字分カーソルを戻したい場合などに便利

Androidでは文字入力時にカーソルを動かしたり、テキストのコピーなどを場合、該当部分が拡大する機能があるが、その機能が起動するのにタイムラグがあり、コンテンツを読む動作を一度中止しなければいけない。それをしても、上手くカーソル移動やコピー操作が出来ない場合もある。

小型画面ではこういった微調整作業は難しいものだが、この「Xperia Z」に限れば、そういった意味でも相性が抜群だった。

Androidでのこのカーソル移動、何かに似ている……と考えたところで思い出したのが、2009年に発売したAndroidケータイ「HT-03A」である。「HT-03A」はハードウェアのトラックボールを搭載し、文字入力時のカーソルボタンを少し回転させるだけで移動できた。あの感覚に非常に近い。

なお、物理キーボードを認識している際は、ソフトウェアキーボードが無効になっている。切り替えるには「Xperia Z」で一旦接続を切る作業が必要だ。場合によって手軽に使い分け、という方法が採れないことは残念だったが、そもそも動作対象外なので、問題なく動いてくれただけ良しとしたい。

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