総合系ベンチマークからチェック
これから各種ベンチマークの結果をみながら、LaVie L LL850/MSと今回レビューするLaVie G タイプL(ほぼフル装備)との性能差を確認していこう。まずはじめにハードウェア的な差異を抜粋してみた。今回のテスト機はLL850/MSに比べ、HDD容量がダウンしているが、CPUの動作クロックが標準時、TurboBoost時ともに300MHzのアップ。メモリは容量が倍増しているだけでなく、デュアルチャンネル化したので、その部分においても若干の性能向上が期待できる。
- | LaVie L LL850/MS | LaVie G タイプL |
---|---|---|
CPU | Core i7-4700MQ (2.4GHz/3.4GHz) | Core i7-4800MQ (2.7GHz/3.7GHz) |
メモリ | PC3L-12800 8GB×1 | PC3L-12800 8GB×2 |
ストレージ | 32GB mSATA SSD 1TB SATA HDD |
32GB mSATA SSD 750GB SATA HDD |
それでは総合系ベンチから。Windows 8の「エクスペリエンス・インデックス」と「PCMark7」を使用した。先のLL850/MSのレビューでは、エクスペリエンス・インデックスのグラフィックスのスコアが最低評価だったが、今回は最低スコアがプライマリハードディスクになっている。
■Windows 8 エクスペリエンス インデックス | ||
- | LaVie L LL850/MS | LaVie G タイプL |
---|---|---|
プロセッサ | 7.9 | 8.0 |
メモリ(RAM) | 7.9 | 8.0 |
グラフィックス | 5.0 | 6.6 |
ゲーム用グラフィックス | 6.5 | 6.6 |
プライマリハードディスク | 5.9 | 5.9 |
「PCMark7」では、CPUやメモリのスペックが上がった分、順当に評価も高くなっている。容量が減ったストレージにおいても、CPUやメモリのおかげでスコアが向上したようだ。これ以上スコアを求めるなら、ストレージを全部SSD化する必要があるだろう。
■PCMark7 | ||
- | LaVie L LL850/MS | LaVie G タイプL |
---|---|---|
PCMark score | 4755 | 5395 |
Lightweight score | 3027 | 3087 |
Productivity score | 2716 | 2806 |
Entertainment score | 3753 | 4225 |
Creativity score | 7647 | 8715 |
Computation score | 15048 | 19257 |
System storage score | 4091 | 4437 |
グラフィックスとストレージ性能は?
タイプLのグラフィックスは「Intel HD Graphics 4600」、つまりLL850/MSと同一だ。そのためグラフィックス系の性能は、第3世代のCore i7に比べれば向上しているものの、過度な期待できない。ここでは「3DMark」と「新生ファイナルファンタジーXIV」公式ベンチマークのスコアを比較してみた。
まず3DMarkでは、DirectX 10相当の負荷をかける「Cloud Gate」のスコアに注目。「Ice Storm」は軽すぎ、「Fire Strike」は重すぎて、この製品のテストには不適切なのだ。Cloud GateのスコアはLL850/MSテスト時の2倍にアップしているが、この理由はメモリのデュアルチャンネル化による帯域幅上昇と、CPUの演算性能のアップ、そして前回のLL850/MS(試作機)の完成度と、今回のタイプL(製品版)の完成度が強く関係していると思われる。
■3DMark | ||
- | LaVie L LL850/MS | LaVie G タイプL |
---|---|---|
Fire Strike | 595 | 898 |
Cloud Gate | 3484 | 6918 |
Ice Storm | 16725 | 15200 |
■FF14公式ベンチ | ||
- | LaVie L LL850/MS | LaVie G タイプL |
---|---|---|
1280×720ドット 標準品質 | 3463 | 4195 |
1280×720ドット 高品質 | 1898 | 2711 |
LL850/MS、タイプLともストレージはIntel Smart Response Technologyによって32GB SSDをHDDのキャッシュとして使うタイプだ。「CrystalDiskMark」でランダムデータを使い、1000MB×5のテストを実行した結果は以下の通りだ。全体の傾向はLaVie Lと似ているが、CPUが高速になった分シーケンシャルリードの値が向上している。ランダムライト系が逆に下がったのは、搭載HDDの差といえそうだ。
バッテリ駆動時間はどうだろうか? 「bbench」を使い、液晶輝度50%固定、無線LAN使用、キーボード入力とWeb巡回を有効にした状態で計測してみた。そもそもバッテリ容量は大きくないため、カタログに記載されたJEITA測定値でも4.8時間。設計的に家庭やオフィス内の移動に限られるが、気になるところだ。
■bbench | ||
- | LaVie L LL850/MS | LaVie G タイプL |
---|---|---|
バッテリ駆動時間 | 2時間56分 | 3時間07分 |
スペックアップしたのに駆動時間が長くなったのはうれしい誤算(?)だろうか。先日検証したLL850/MSが試作機であったこと、Webサイトを開く程度ではCPUの負荷に差がないことなどが原因として考えられる。
次のページ:まとめ : BTOの使いこなしでさらに魅力的に