Lighting & Displays

以前、Rambus DESIGN SEMINAR In Tokyo 2010のレポートの最後にも記載したが、RAMBUSはGLTから光関係デバイスのテクノロジーや関連特許を入手しており、これまでにLEDバックパネルなどの展示を行なっていた。ただこれはそれ以前にGLTが提供していたものをそのまま継続して提供するというもので、別に新しいものではなかった。

そこで以前Woo博士に「こうした光関係テクノロジーを使って光伝送のSolutionを提供するつもりでは?」と確認したところ「興味はあるけどまだ時期尚早」という返事を貰ったことがある。ではどういう形でソリューションを出してくるのかには興味があったが、まさかLED電球を自社で開発・販売まで行なう方向になるとはちょっと想像しなかった。

さてそのLED電球。LED電球そのものは割と簡単というか、それなりのLEDを調達できれば、電球そのものは作れる。ただそれが十分競争力がある製品になるか?というのは別の問題であって、効率とか寿命、光の拡散性などがLED以外の部分が案外商品性に大きく影響を与える事になる。RAMBUSはGLTからこうしたLED以外の光部品に関して様々な技術を入手しており(Photo21)、これを生かしてLED電球の開発を行なった。面白いのはこの製品をライセンス供与するだけではなく、製品の形で発売することだ(Photo22)。これに関してNadel氏は「これはRAMBUSにとって初めてのことで、大きなチャレンジになる」としていた。

Photo21:いずれも液晶のバックライト向け関連部品向けに培われた技術であり、これをLED照明に生かした形になる

Photo22:L'ImageはカナダのElite Groupの家庭向け製品ブランド。北米向けはこのL'Imageで発売されることになる

提供されるLED電球はA19/PAR30/BR30の3種類の電極規格にあわせたものだが、A19モデルの拡大図がPhoto23である。ややグレーがかった支持部の内側に透明なアクリルっぽい部分があるが、これがPhoto21に出てきたTruEdge Technologyを生かした導光板である。また、全体をカバーで覆う形になっておらず開口部が大きいのは、LEDの放熱のためには空気の抜けをよくする必要があり、このデザインは空気の流れを阻害しないため、25000時間の寿命が実現できたとWoo博士は説明した。それだけではないのは、色温度を自由に変更できることで(Photo24)、3000K~5000Kまで色温度を可変にできる。この技術はGEのLumination LED照明にもライセンス供与されているそうで、すでに実際の店舗などにも採用されているという話であった(Photo25)。

Photo23:Nadel氏曰く「Photo22にあるようにこの電球はEnergy Star認証を取得しているが、この認証を取得するためには光が360度均一に広がる必要があり、これをこの導光板で実現している」という話であった

Photo24:Photo23で右下にちょっと見えている黒いリング部を回すと、LEDに赤い蛍光体が被さる比率が高まり、色温度が変わるという仕組み。3色のLEDを組み合わせて色温度を変更する製品も少なくないが、こちらはどうしても高コストになる。もっともそんなわけでダイナミックに変えられるわけではなく、手作業でリングを回して変更する形

Photo25:店舗系の場合、電球というよりはパネル型のものが好まれており、GEもLumonation LEDシリーズの製品を展開しているが、ここにライセンス供与されているという話であった