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米Gartnerは6月4日(現地時間)、2013年の世界のモバイルペイメントの取引金額が前年比44%増の2354億ドルに達する見込みだとの調査報告を発表した。ユーザー数は同年に2置く4520万人に到達し、前年比22%増となるという。一方でNFC (Near Field Communications)に関わる取引金額はシェアで40%ほど減少し、全体でも約2%程度にとどまる。その原因は各種サービスの普及が停滞していることに起因するという。
2012年から2017年にかけて年間のモバイルペイメント取引金額の増加平均は35%で、2017年には金額にして7210億ドル、ユーザー数にして4億5000万人の規模に成長するとGartnerでは予測している。ただし2012年における取引金額の成長率が予想よりも低いため、以前に比べて予想を引き下げていると同社調査ディレクターのSandy Shen氏は説明する。特にこの傾向は北米とアフリカで顕著だという。
前述のNFCについてもGoogle WalletやIsisといったサービス立ち上げが低迷していることを受け、2013年に約2%、2017年においても5%程度の金額シェアに留まるとの見方だ。Gartnerでは2016年時点までにNFC対応携帯の増加や非接触読み取り機の普及が進むとの予想を出しているが、それでもなお全体のボリュームからすれば低い水準に留まるという予測になる。
モバイルペイメント市場を主に牽引しているのは「Money Transfer」と呼ばれる送金や、モバイル端末経由でのショッピングだ。2013年におけるそれぞれの金額シェアは、送金が71%、ショッピングが21%となる。特に送金需要が非常に大きいことがわかる。一方でモバイルショッピングは環境の未整備から馴染みが薄く、既存のPC経由でのオンラインショッピングや店頭での購入に比べ、まだまだ金額ベースで利用率が低いという。2017年時点でのモバイルショッピングの比率は23%程度まで上昇するとGartnerでは予測する。これにともない、送金利用は若干シェアを落とし、同年に69%程度になると見込んでいる。このほか、モバイル端末での料金支払い需要も増えており、2013年には44%の成長を見せ、2017年には5%程度の金額シェアまで成長するようだ。