普及価格帯のCore i5で新旧対決、グラフィックス性能は倍以上

そしてもちろん、描画パフォーマンスそのものも大きく向上している。今回紹介する「LUV MACHINES Lm-HH500E」(販売価格59,850円)は、動作周波数3.00GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.20GHzのCore i5-4430を搭載しているが、このCPUの内蔵グラフィックス機能は「HDグラフィックス4600」。これまでCPU内蔵グラフィックスでは楽しむのが難しかったゲームも視野に入ってくる性能といえるだろう。

今回、比較対象としては同じ「LUV MACHINES」シリーズの「Lm-iH531B」を用意した。外観上でわかる変化としては、Lm-iH531Bのディスプレイ出力がDVIとアナログRGBの2系統だったのに対し、新製品のLm-HH500EではこれにDisplayPortを加えた3系統になっており、オンボードグラフィックスだけでトリプルディスプレイが可能となっている。また、Lm-iH531BのCPUはCore i5-3470(動作周波数3.20GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.60GHz)で、内蔵グラフィックス機能はHDグラフィックス2500となっている。

側面に開けられたエアホールなど、コンパクトながらハイスペックなパーツにも対応する拡張性の高いケースは、従来のLUV MACHINESから継承

CPUとマザーボード以外の仕様は共通で、ストレージは500GBのHDD、メモリはPC3-12800 8GB(4GB×2のデュアルチャネル)となっている。この両機種でゲームベンチマークを走らせて、内蔵グラフィックス機能の実力の差を確かめてみたのが以下の表である。

BIOHAZARD 5 ベンチマーク ベンチマークテストB(DirectX 10)
機種 Lm-HH500E(Core i5-4430) Lm-iH531B(Core i5-3470)
1280×720 45.1fps 24.9fps
1920×1080 26.1fps 13.9fps
ロストプラネット 2 ベンチマーク テストタイプB(DirectX 11)
機種 Lm-HH500E(Core i5-4430) Lm-iH531B(Core i5-3470)
1280×720 13.0fps 5.0fps
1920×1080 8.9fps 3.6fps
ファイナルファンタジー XIV オフィシャルベンチマーク
機種 Lm-HH500E(Core i5-4430) Lm-iH531B(Core i5-3470)
Low 1698 756
High 837 375
モンスターハンター フロンティア オンライン ベンチマーク大討伐
機種 Lm-HH500E(Core i5-4430) Lm-iH531B(Core i5-3470)
1280×720 3392 1529
1920×1080 1706 776
ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 動作検証
機種 Lm-HH500E(Core i5-4430) Lm-iH531B(Core i5-3470)
簡易設定3・1280×720 1764 313
簡易設定5・1920×1080 314 91
3DMark Vantage 1.1.0 Performanceプリセット
機種 Lm-HH500E(Core i5-4430) Lm-iH531B(Core i5-3470)
3Dmarks P5410 P1875
GPU SCORE 4398 1442
CPU SCORE 17501 18752
3DMark Vantage 1.1.0 GPU SCORE
機種 Lm-HH500E(Core i5-4430) Lm-iH531B(Core i5-3470)
1280×720 6013 2032
1920×1080 2977 978
CINEBENCH R10 64bit
機種 Lm-HH500E(Core i5-4430) Lm-iH531B(Core i5-3470)
Single CPU 6325(2分19秒) 6394(2分18秒)
Multiple CPU 20958(0分42秒) 21916(0分40秒)

ソフトや解像度にもよるが、フレームレートで結果が表示されるBIOHAZARD 5やロストプラネット2では、倍増ないしそれ以上のスコアアップが確認できた。また、3DMark VantageのGPUスコアなど、約3倍の数字を叩き出してきたテストも少なくない。

左がCore i5-4430搭載の新製品、右はCore i5-3470搭載の従来製品。3DMark VantageのGPUスコアは約3倍となった

もちろん、ロストプラネット2のように非常に負荷の高いタイトルにおいては、解像度が1280×720の設定においても13fpsと、ゲームを快適に楽しめるとはいいがたい水準にとどまっているので、Haswellの内蔵グラフィックスも万能というわけではない。しかし、ファンタシースターオンライン2のように、これまでは1280×720の環境でも内蔵グラフィックスではとても遊ぶ気にはなれなかったタイトルが、Haswellの環境なら手を出してみたくなる範囲に降りてきたということができるだろう。ビギナーがPCゲームを体験してみる入口としては、悪くない性能だ。

グラフィックス機能に関係ないCPUテストのスコアでは、従来製品のほうが上回っているが、これは今回のテスト環境においては、従来機のほうが動作周波数が高かったためで、同クロックであれば、ほぼ同等の性能とみて差し支えないだろう。

左が新製品。マシン全体のパフォーマンスのうち、いまいちふるわなかったグラフィックススコアが伸びている

H87チップセット採用のこだわり

また、今回の新LUV MACHINESについていえば、6万円を切る普及価格帯の製品でありながら、H87 Expressチップセットを搭載している点はアドバンテージといえるだろう。この価格帯の製品の場合、細かい点ではあるが一部の拡張性を若干省略したB85チップセットを採用していてもおかしくないが、BシリーズでなくHシリーズのチップセットをチョイスしているのは、マウスコンピューターらしいこだわりだ。もちろん、BTOオプションを利用すればSSDやブルーレイドライブの追加なども可能なので、求めるスペックを最小の費用で手に入れることができる。

第4世代Coreシリーズの登場によって、内蔵グラフィックス利用という最低限の構成のPCにおいても、高解像度グラフィックスやゲームなど、"やれること"が広がった。単に高性能というよりも、PCの可能性を拡大するCPUということができるだろう。LUV MACHINES以外の新製品もこのコーナーで順次紹介していくので、ご期待いただきたい。

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
型番 Lm-HH500E
CPU インテル Core i5-4430
メモリ 8GB PC3-12800 DDR3
HDD 500GB SerialATAIII
チップセット インテル H87 Express
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
グラフィックス インテル HDグラフィックス4600
OS Windows 8 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN
インタフェース USB 3.0×4(前面×2、背面×2)、USB 2.0×4(背面×4)
サイズ W180×D382×H373mm
ディスプレイ
価格 59,850円(税込)

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格・構成については、2013/6/3(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。