大日本印刷(DNP)は、同社のオリジナル書体「秀英体」の旧字バージョンである「秀英初号明朝 撰」を開発した。同書体はモリサワにライセンス提供され、2013年9月より販売が開始される。

左から、秀英初号明朝Std、秀英初号明朝 撰

秀英初号明朝Std(左)と秀英初号明朝 撰(右)の字形の比較(上から「ひっかけ」、「はちやね」、「旧字形」)

「秀英初号明朝 撰」は、DNPが明治時代に開発した金属活字のデザインをデジタルフォント化した「秀英初号明朝」を収録したもの。「秀英初号明朝」は2010年に発売された見出し用書体「秀英初号明朝Std」にも収録されているが、他の秀英体フォント製品との互換性を考慮して「Adobe-Japan」の基準に沿った字形を採用したために、ユーザーからは同書体の伝統的な「ひっかけ」、「はちやね」や旧字形など、"活字書体としての秀英初号明朝らしさ"を求める声も上がっていたという。そういった要望を受けて開発されたのが「秀英初号明朝 撰」で、「秀英初号明朝Std」と合わせて使うことで、旧字と新字の両方を利用し、より幅広い日本語表現が可能になる。また、「秀英初号明朝 撰」にはイタリック体や括弧なども追加収録されており、見出し書体としての使いやすさも向上されているということだ。

なお、これまでにも、モリサワはDNPのライセンスに基き、2009年、2010年、2012年に秀英体の秀英体フォント13書体をDTP向けフォントとして発売している。