年内にAndroidネイティブでBluetooth Smart Readyをサポート

Bluetoothにとって、もう1つの明るい材料がある。2013年5月15日のGoogle I/O(開発者向けイベント)において、2013年内にリリース予定のAndroid新バージョンで、Bluetooth Smart Readyをサポートするとアナウンスされたことだ。従来、BLEのサポートはiOSが主流であったが、携帯電話のシェアでみるとAndroidが首位。一方で、今までのAndroidデバイスでは、Bluetooth 4.0対応に関しては複数のベンダーが個々に行っていた。

機種数が圧倒的に違うとはいえ、すでに携帯電話業界の63%がAndroidとなっている。しかし、BLEの対応はまだまだ

Google I/Oで新Android OSでBluetooth Smart Readyに対応することが発表された

Googleの発表によって、新しいAndroidにはBluetooth Smart ReadyのAPIが新たに用意されるので、ベンダーにとっても利用者にとってもメリットがあるという。Bluetooth SIG側としては、Android開発者をサポートするために、Bluetooth Quick Start KitとBluetooth Application Acceleratorを提供する予定

なお、現時点ではBluetooth Smart Readyでないスマートフォンでも、ハードウェア的にBLE対応のチップセットを使っている場合、AndroidのアップデートでBluetooth Smart Readyになる可能性があるとのことだ。

Bluetooth SIGでも開発者向けの資料を提供している。Bluetooth Quick Start Kit v2はすでに公開中だ

加えてBluetooth Application Accelerator for Androidを近日中に提供する予定

こちらは実際のWebサイト。名前とメールアドレスを登録すると優先的に通知されるようだ

「Bluetooth Smart Ready」は将来のプロファイルもサポート

話が前後するが、Bluetooth Smart ReadyとはBluetooth機器をコントロールする本体側に与えられるロゴプログラムだ。Bluetooth 4.0仕様で開発され、従来のBluetoothとBLE両方に対応するデュアルモード無線に加えて、消費者が機器ソフトウェアのアップデートをできるようにしなければならない。

Bluetoothはコントロールソフト(スタックという)によって、プロファイルのサポートが違う。先に挙げた心拍計の話でいえば、「Health Device Profile」(HDP)というプロファイルが使われているが、これをサポートしたスタックが少なく、普及を妨げる一因となっていた。

従来消費者は、基本仕様に加えてプロファイルのサポートも確認しなければならなかったのだ。これに対し、Bluetooth Smart Readyロゴが付いている製品なら、ユーザー側でアップデート作業を行えるため、基本的にはありとあらゆるBluetooth製品に対応できるという。日本市場ではまだBluetooth SmartとBluetooth Smart Readyロゴの認知は低いものの、今後このロゴが付いたBluetooth機器の普及によって、煩わしかったプロファイル確認が不要となり、安心して利用できるというのはうれしい話だ。

会場に展示されていたBluetooth機器。iBUFFALOのBluetooth 4.0対応マウスは、USB接続のBluetoothアダプタが同梱された製品だ

こちらはエレコムとロジテックの製品

写真の左側にあるのはCEREVOの製品で、リモートシャッター端子のないデジタルカメラでもリモート撮影を可能とするアダプタ。デジタルカメラとは赤外線でやり取りを行い、リモート撮影やインターバル撮影の指示がiPhoneから行える(Androidは後日対応予定)

エイディシーテクノロジーの組み込み機器向けBluetoothモジュール。今までシリアルケーブルを使っていたデータ通信を、Bluetoothで行える

その他のBluetooth Smart対応機器。ゴルフのスイング解析や、歯を磨いた時間やランニング時間を遠隔から分かるものなど、コンシューマー向け製品が多かった

これらの「アプセサリ」が次のBluetooth市場を開拓。写真の左側にはカシオ計算機の腕時計、Bluetooth対応G-SHOCKも

説明会の様子とプレゼンテーションのスライドショーはこちらから →