タイムラインUIによる「シンプル」な使い方に加え、無料券や先行予約などの「ラッキー」を提供することで、ユーザーが何度も使うようなサービスに育てたいと田中社長は説明する。まずは全てのユーザーに対して同じ情報を配信するが、今後「プロファイル」に応じて情報をカスタマイズして提供することも検討。例えば「大学生」「ビジネスマン」といった属性に応じて提供される情報が変えられるようにしたいという。

今後、プロファイルに応じた情報のカスタマイズも検討する

ただし、当初はそこまでの機能は提供せず、ユーザーの属性などの情報取得は行わない。その代わり、自分で登録した鉄道路線や地域といった情報を元に、終電や遅延情報、天気、占いといったカスタマイズしたコンテンツをまずは提供する。今後は、ユーザーの動向も見ながら、GPSなどによる位置情報をベースに近隣のクーポンを配信するなど、O2Oとしての方向性も検討していく。

さらに、ユーザーの声を集めてサービスの提供を考える「auスマパス総会」を開始する。毎月テーマを決め、その投票や要望への対応状況を公表するなどしてサービスを拡充。ソフトバンクの孫正義社長がTwitter上で行っている「やりましょう」の活動に引っかけ、田中社長は「au版やりましょう」だと話す。

auサービスの拡充などでユーザーの意見を聞く「auスマパス総会」

ポータルサイトのリニューアルは6月6日に行い、同時にサービスを提供していく。

ユーザーとリアルに連携するauスマートサポート

もう1つの「リアル」との連携が、ユーザーへの直接サポートを提供するauスマートサポートだ。これは、「トラブルを解決する」だけでなく、ユーザーの「スマートフォンを使いこなしたい」という要望まで応えるようなサポートサービスになるという。

auスマートサポート

同社の調査では、スマートフォンの初期設定でつまずいたユーザーが65%、使い方を相談できる人がいなくて困った経験がある人が58%、スマートフォンを使いこなせていないというユーザーが52%もおり、こうしたユーザーに対してのサポートを提供する。

専任アドバイザーがスマートフォンの使い方、初期設定、自宅の固定回線の設定なども含め、トータルでサポートを提供。スマートフォンの遠隔操作でのサポートも行う。予約をすれば、23~9時の深夜早朝帯でもサポートを提供し、より利用しやすい環境にする。さらに「スマホ訪問サポート」では、ユーザーの自宅へ直接訪問して、初期設定や使い方などを説明する。

遠隔でのサポートに加え、訪問サポートも提供する

特に初期設定でつまずくユーザーが多いことから、当初3カ月間は3,150円で提供。その後は月額399円のサービスとなる。紛失・盗難時のリモートロック、買い換え時に他機種を検討できる「スマホお試しレンタル」(15日間)、ガイドブック、データ復旧サービスの優待といったサービスも含まれている。なお、スマホ訪問サポートは1回の訪問に8,925円の費用が必要だ。

当初、iPhone 5とURBANOのレンタルを行う予定

田中社長は、このauスマートサポートを、auスマートバリュー、auスマートパスに続く「第3のスマートとして育てていきたい」と意気込む。スマートパスポート構想では、スマートフォンによってインターネットの世界を使ってもらえるようにすることを目指してきたが、これに加えて「リアルな世界も楽しんでいただきたい」というコンセプトで新サービスを提供する。

田中社長は、「リアルなリレーションを大事にしたい。auとお客様のリレーションも大事にしたい」と強調。さらに秋冬商戦では機能を拡充し、au IDや多デバイスとの連携を強化していく。

今後さらなるサービス強化を行っていく