スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですからスペック表を見ると、専門用語のオンパレード……おいそれと比較はできません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「ROM」についてです。
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スマートフォンのスペック表でたまに見かける「ROM」。パソコンに慣れた人なら、「Read Only Memory」の略称で新規書き込みできない部品、電源を入れていなくてもデータが保持される不揮発性メモリ、と即答することでしょう。しかし、Android端末にかぎっていえば、ROMという用語はパソコンのそれとはだいぶ違う意味で利用されています。
Android端末において「ROM」とは、内蔵ストレージを意味します。内蔵ストレージは読み書き可能なフラッシュメモリ(「フラッシュROM」と呼ばれることも)で、わかりやすくいえば"パソコンにおけるHDD/SSD的補助記憶装置"として利用されます。具体的には、アプリ本体やアプリの設定情報が保存される領域です。
ですから、Android端末ではROMの容量が大きければ大きいほど、多数のアプリや写真などのデータを本体に記録できます。microSDカードにアプリやデータを移す手間を考えると、「ROM 8GB」より「ROM 16GB」のほうが扱いやすく、「ROM 64GB」であればさらに快適に使える、といえるでしょう。microSDカードに比べデータを読み取る速度が優れているため、アプリを起動する速度もROMのほうが上です。
なお、iPhoneではROM(フラッシュメモリ)のことを「容量」と表現しています。iPhoneにはmicroSDカードのような外部記憶装置がありませんから、購入時には容量についてよく考えるべきです。現行機種のiPhone 5では、16GBと32GB、64GBの3モデルが用意されているので、アプリや写真をたくさん持ち歩きたければ、大容量モデルを選択したほうがいいでしょう。