米デパート大手J.C. Penneyの取締役会は4月8日 (現地時間)、Ron Johnson氏のCEO退任を発表した。後任はJohson氏の前にCEOを務めていたMyron E. Ullman氏。

Johnson氏は米ディスカウントストア大手Targetのマーチャンダイジング担当バイスプレジデントとして同社の事業改革を支え、2000年に移った米Appleでは直営店のコンセプトを作り、Apple Storeおよびジーニアスバーを成功に導いた。2011年、経営難に苦しむJ.C. PenneyのCEOに就任。値引きを禁止し、安売りイメージを払拭する広告を展開。快適な買い物を体験できるように店舗改革を進めた。ところが安売りになじんだ従来の顧客が戸惑い、新しい顧客を開拓できないまま、同社の収益は悪化。3月にJ.C. Penneyが値引きなし戦略を撤回し、従来の値下げを軸とする戦略に戻したことで、Johnson氏のCEO解任の噂が立ち始めた。

なお、Johnson氏がAppleを去った後、Appleでは2012年1月に英Dixons RetailのCEOだったJohn Browett氏がリテール担当のシニアバイスプレジデントに就任したが、夏に行ったApple Storeの改革から混乱が生じたことで10月に退任。CEOのTim Cook氏に預けられたまま、リテール部門は担当エグゼクティブが不在の状態が続いている。