イードが運営するIT総合ニュースサイト「RBB TODAY」が各通信事業者の通信速度を比較した調査レポートを公開した。

同レポートは、同社が提供するスマートフォン向けに通信速度の測定アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」を使用して計測されたデータを集計し、OS・回線速度ごと比較分析したもの。同アプリで収集した実測データを基に全国2.5km単位で区切り、同範囲内で計測されたデータの平均値を参照。NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの3社のデータが揃った場合のみ、下り速度比較を実施したという。調査期間は2012年11月1日から2013年1月31日まで。対象エリアは日本全国で、サンプル数は1,224,702件。対象端末のOSはiOSとAndroid、通信方式はLTEおよび3Gとなる。

同調査では、ドコモ、au、ソフトバンクの3社の平均速度比較。ソフトバンクモバイルが最も高速となるエリアが多かったとしている。具体的には、ソフトバンクが最も高速だったエリアが68.5%と約7割を占め、残る3割をドコモ(11.1%)とau(20.4%)が分けあった。

このほか、OSごとの下り平均速度も調査。iOS端末であるiPhone/iPadを提供する2社の下り平均速度は、auが3.1Mbps、ソフトバンクが7.0Mbpsと2倍を超える差がついたという。

一方、Android端末の下り平均速度は、NTTドコモが3.4Mbps、auが8.2Mbps、ソフトバンクが7.6Mbpsという結果。auとソフトバンクともに約8Mbpsで、auが若干速いという状況だ。ただし、LTEおよび3Gを回線単体で比較するとソフトバンクが速い割合が多かったという。Android端末においては、平均速度ではau、高い割合で速くつながるのがソフトバンクということになる。

各通信事業者の平均スループットおよびエリアごとの平均値 (拡大画像はこちら)

さらに同調査では、LTEの下り平均速度比較において、本州と四国・九州とでは傾向が異なる点を紹介。auとソフトバンクの通信速度は、本州全土でドコモの約2倍近い速度だが、四国や九州ではさほど差はないとしている。

なお、全国のLTE+3G(全データ)の通信速度をまとめた際、12Mbps以上となった割合が最も多かったのが、ソフトバンクで全体の38.4%だった。残る2社はauが32.6%、ドコモが5.3%という結果だった。

3社のLTE+3G(全データ)で通信速度 (拡大画像はこちら)

同社は、今回の調査において、au、ソフトバンクモバイルのLTEサービスが、先行するドコモに遅れを感じさせないほど拡大していると指摘。特にソフトバンクの通信品質改善への取り組みが結果となって現れていると評価している。またiPhone(iOS端末)においては、3G回線の下り最大速度において、auが9.2Mbps、ソフトバンクが21Mbpsと両社の仕様が異なるため「純粋な比較が難しい」としつつも、未だLTEにつながらない場所もあることを考慮すると、「ユーザーにとってはソフトバンクの方が優位性を感じられる」とコメントしている。