MMD研究所(モバイルマーケティングデータ研究所)は11月13日、全国主要都市で行った最新端末によるLTEの速度調査の結果を公表した。同調査によると、4G/LTEにおいてはスピード・エリアともにKDDIのサービスが最も優れていたという。

同調査では、全国主要都市(9都市・45地域)で速度を計測。期間は2012年11月2日から11月9日まで。速度計測に利用したのは、NTTドコモの「Optimus G L-01E」、KDDI(au)の「AQUOS PHONE SERIE SHL21」、ソフトバンクモバイルの「MOTOROLA RAZR M 201M」の3機種。いずれも各社が10月に発表したばかりのAndroidスマートフォンである。結果をまとめると、KDDIがダウンロード速度、4G/LTEエリアの数、Webサイトの表示速度でいずれも勝利した。

いずれの計測結果でも、KDDIが勝利

ダウンロード速度ではKDDIが平均24.51Mbps、ソフトバンクが平均18.36Mbps、ドコモが平均10.22MbpsとなりKDDIが最速だった。アップロード速度においてもKDDIが平均11.88Mbps、ソフトバンクが平均2.65Mbps、ドコモが平均2.69Mbpsとなり、KDDIが他キャリアを突き放した。勝敗の決め手となったのは4G/LTEの捕捉状況と通信の安定性で、全調査スポット45カ所のうち良好な状態で通信を行えたエリアはKDDIが44カ所(97.7%)、ドコモが42カ所(93.3%)、ソフトバンクが33カ所(73.3%)という結果だった。なお4G/LTEが入る調査スポットに限定した場合、KDDIは平均ダウンロード速度25.05Mbps、ソフトバンクは同23.07Mbps、ドコモは同10.62Mbpsだった。

実際の利用シーンを想定してYahoo!JapanのWebサイトの表示速度も計測した。これについてはKDDIが平均3.61秒、ドコモが平均4.00秒、ソフトバンクが平均4.94秒となった。これを4G/LTE捕捉カ所に限定してみるとKDDIが3.39秒、ソフトバンクが3.63秒、ドコモが3.87秒だった。しかし体感として、大きな差はなかったとのこと。

今回の調査スポットでは、KDDIが全国的にLTE捕捉状況が高く通信速度が安定しており、ネットワークの整備が一番進んでいるといえる結果となった。ソフトバンクは4G捕捉カ所ではスピードテストで平均4Mbps以上、WEB表示速度では1.31秒速くなり、調査スポットによっては40Mbps以上の数値を示した。しかし調査スポットごとで通信速度にバラつきが出たという。一方、ドコモに関しては通信速度を大きく伸ばすことは少なかったものの、LTE、3Gエリアに関係なく通信速度、WEB表示速度に安定感があったとのこと。

ちなみに、今回の調査期間中にソフトバンクの端末において通信速度制御が行われた。これはデータ通信量が1GB(直近3日間)を超えたためで、通信速度制御が実施されている時間帯は4G/LTE捕捉カ所においてもダウンロード平均0.20Mbpsと通信速度がかなり遅くなったという。なお、今回の調査期間中に通信が制御されたのはソフトバンクのみだった。

詳細な調査結果は下表の通り。表に記載されている調査結果に関しては、通信速度制御が行われていないスマートフォン端末を使用して再計測を行っている。

各エリアにおける調査結果(拡大画像はこちら)

調査方法は、次の通りだ。スピードテスト「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを利用し、11時00分から19時00分の時間帯に同じ条件下で各3回計測、平均値を記録した。また、Webサイトの表示速度計測に関してはブラウザ「Google Chrome」においてブックマークのYahoo!Japanをタップし、ストップウォッチでページが完全に表示されるまでの時間を計測。11時00分から19時00分の時間帯に同じ条件下で各3回計測し、平均値を記録した。

調査地域は前述の通り9都市/45地域。主な計測値は次の通り。東京駅 丸の内中央口、新宿駅 西口ビックカメラ前、札幌市時計台前、JR仙台駅 在来線中央改札、JR金沢駅構内(百番街)、JR名古屋駅 太閤通口、JR新大阪駅 駅前タクシー乗場、高松空港入口、JR広島駅 新幹線口、JR博多駅 改札、福岡Yahoo!JAPANドーム前。