スマートフォンやタブレットの隆盛を危機と捉えずチャンスと捉える
Q.2013年の市場の展開・展望をお聞かせください。
A.まず、世界市場的に見れば、2013年も経済状況はまだ良くないかもしれない。そうしたなかで、PC DIY業界も、爆発的に成長するというのは難しいと思います。ただし、昨年度前年比20%成長した実績がありますので、今年も同じような形で継続的に成長していくことを目標にしています。
日本市場に関しては、ここ数年、スマートフォンやタブレットの普及が拡大しています。こうしたデバイスが普及すればするほど、実はGIGABYTEにとってもプラスに影響が働くと思います。2013年に関しては昨年比でさらに3倍(笑)、いえ、30%成長を目標に努力して参ります。
Q.スマートフォンやタブレットでPC DIYが成長するというのはどのような意味でしょうか。
A.例えば、スマートフォンやタブレットを使う方は、映像や音楽、写真といったメディアデータを閲覧するために活用されていると思います。しかし、こうした種類のデータの全てを、そういったデバイスに保存するというのは当然難しいことです。既に各社がクラウドサービスを展開し、サーバにデータを預けるという手法が普及し始めています。ただし、パブリック・クラウドサービスの容量は有限です。無料サービスでは十分な容量を提供できません。また、データの流出や消失といった安全性での問題もあります。
こうした問題点を憂慮される方を中心に、スマートフォンやタブレットのデータをプライベートな場所、つまりPCのローカルストレージに保存したいといったニーズが出てきます。PCをスマートフォンやタブレットの母艦として使うという方法は継続していくものだと考えています。そして、PCをパーソナル・クラウドとして利用する場合、まず動かす必要がありませんし、また、ノートブックPCよりもデスクトップPCの方が、パフォーマンスの点から言ってもメリットがあります。そして電源をつけっぱなしにしておいた際の、安定動作や耐久性といった点でもデスクトップPCの方が適していると思います。
こうしたニーズから、我々のUltra Durableというキーワードが生きてきます。我々は、スマートフォンやタブレットがPCにとって脅威となるのではなく、むしろ新たなチャンスが生まれてきたと捉えています。
Q.スマートフォンやタブレットからPCを活用するためのソフトウェアを提供するお考えはありますか。
A.現在、OCユーティリティとしてスマートフォンやタブレットからPCの設定を行うツール「Cloud OC」を提供しています。今後に関して言えば、そこからさらに発展させて、今他のサードパーティから提供されているようなスマートフォン用アプリのようなものを、今のCloud OCを進化させた形で提供できればいいなと考えています。
Q.スマートフォンやタブレットのための母艦としてのPCといった観点から、今後のマザーボードが変わっていくといったようなことは考えられますか。
A.スマートフォンやタブレットの母艦として使うためには、安定動作が最も重視されますよね。品質というキーワードがさらに重要になっていくものだと考えています。マザーボードにおける品質というのは一朝一夕でユーザーに理解いただけるものではなく、これまでいかに真剣に取り組んできたかという実績が問われると思います。我々はこれまで長らく品質を訴求してきた自負があります。しっかり品質に取り組んできたメーカーとそれ以外のメーカーとの差は、今後より顕著に表れてくるようになるのではないでしょうか。現在の経済状況下では、こうした品質を価格に反映するというのは難しいと思います。つまり、価格上昇を抑えつつ、しっかりとした品質を維持していく、というのが我々の使命なのです。
Q.2013年の日本ギガバイトの"抱負"はありますか。
A.サポート面はこれまで以上に注力していきたい分野です。あえて言うのならば、テクニカルサポート分野でしょうか。販売代理店、販売店、ユーザーからの問い合わせに、技術的回答を今までよりも更に早くできるようにしたいと考えています。台湾のエンジニアチーム、R&D等のリソースをこれまで以上に有効活用できるよう目指します。日本ユーザーに受け入れられる製品、サービスを構築することで他の地域でも展開していきたいと考えています。