東芝は2月4日、同社の組込分野向けARM Cortex-M3搭載マイコンなどに適用していた独自のフラッシュメモリ「NANO FLASH」をベースに、従来比で高速アクセスを実現した組み込みマイコン向けフラッシュメモリ「NANO FLASH-100」を開発したことを発表した。

マイコンの高機能化、高性能化、そして高速化にともない、内蔵されるフラッシュメモリもアクセス速度の向上が求められるようになってきている。NANO FLASHは、NAND型フラッシュメモリのセルデバイス技術をベースとした高速書き換えと、NOR型フラッシュメモリの回路技術をベースとした高速ランダムアクセスを組み合わせたフラッシュメモリ技術で、自社の組込分野向けのマイコンに適用してきたが、ARMコア搭載マイコンの普及が進んでおり、さらなる高速化や大容量メモリの搭載が求められるようになっていた。

そこで、今回、新たにNANO FLASHをベースにアクセススピードを向上させたNANO FLASH-100を開発。100MHz動作時のランダムアクセスでゼロウェイトを実現しており、ARMコア搭載マイコンに搭載した場合、コアの持つ高いコード密度と高いパフォーマンスを発揮することができるようになるという。

なお、同フラッシュメモリ技術は、同社のCortex-M4搭載マイコン「TMPM440F10XBG」が搭載第一弾製品となる予定で、以降、ARMコア搭載製品を中心に順次展開を進めていく計画としている。

ARM Cortex-M4搭載マイコン「TMPM440F10XBG」のパッケージ外観(左)と機能ブロック図(右)