MMD研究所(モバイルマーケティングデータ研究所)は1月25日、全国主要都市の地下鉄ホームで実施した最新端末によるLTEの捕捉状況・速度調査の結果を公表した。同調査によると、全国主要地下鉄でのLTEの捕捉状況はKDDIのサービスが最も優れていたという。

同調査では、全国主要都市の地下鉄ホーム(6都市/34路線/615駅)で速度を計測。期間は2013年1月9日から1月21日まで。速度計測に使用したのは、各キャリアの最新Android端末とiPhone 5。Android端末では、NTTドコモの「Optimus G L-01E」、KDDI(au)の「AQUOS PHONE SERIE SHL21」、ソフトバンクモバイルの「MOTOROLA RAZR M 201M」の3機種。iPhone 5はau版とソフトバンク版のそれぞれを使用した。なお、ソフトバンクモバイルからはLTE対応のAndroid端末が発売されていないため、AXGP方式の「SoftBank 4G」対応のAndroid端末が使われている。

結果をまとめると、Android端末とiPhone 5の両方で、KDDIがLTEの捕捉、ダウンロード速度のいずれも勝利した。

全国主要都市の地下鉄ホームにおける、Android端末とiPhone 5のLTE捕捉状況

Android、iPhoneともにLTE捕捉でKDDIが勝利

まず、Android端末の地下鉄ホームにおけるLTE(4G)の捕捉状況(LTEの電波をつかめるかどうか)では、KDDIが615駅中598駅(97.2%)、ドコモが同298駅(48.5%)、ソフトバンクが同49駅(8.0%)だった。KDDIが他キャリアを圧倒し、調査対象の地下鉄駅のほとんどでLTEを捕捉する結果となった。

また、iPhone 5のLTE捕捉状況は、KDDIが615駅中567駅(92.2%)、ソフトバンクが同67駅(10.9%)だった。iPhone 5でも、KDDIのLTE捕捉率がソフトバンクを大きく上回り、Android端末と同様に90%を超える高い捕捉状況となった。

ダウンロード速度では、まずAndroid端末で、KDDIが平均24.47Mbps、ソフトバンクが平均9.67Mbps、ドコモが平均6.39Mbpsだった。iPhone 5でのダウンロード速度は、KDDIが平均12.40Mbps、ソフトバンクが平均8.64Mbpsとなった。Android端末、iPhone 5ともにKDDIが他キャリアよりも速い結果となり、LTEの捕捉状況と同様に優位であることが示された。

今回の結果についてMMD研究所は、「現時点での全国主要地下鉄駅において、auがAndroid端末、iPhone 5ともに90%以上の駅で4G/LTEを捕捉し、ネットワークが最も整備されていた」と総括している。詳細な調査結果は下表の通りだ。

各エリアにおける調査結果の詳細。(拡大画像はこちら)

LTEなどの高速通信に対応したスマートフォンは、昨年の後半以降、各キャリアより相次いでリリースされており、今後はLTEに対応していることがスマートフォンの標準となっていくと思われる。しかし、端末がLTEに対応していても、実際にLTEの電波を捕捉できなければ、ユーザーのメリットは薄れてしまう。これまで、全国主要地下鉄を対象としたLTEの調査は行われてこなかったが、今回の調査結果により、地下鉄ホームではKDDIのサービスが優位であることが示された。スマートフォンの機種やキャリアを選択する際の参考として、興味深い結果だといえるだろう。