今度は、ハードウェアスペックについて見てみたい。ICONIA W510Dは、CPUにIntel Atom Z2760(1.5GHz)を搭載している。Intel Atom Z2760は開発コードネーム「Clover Trail」と呼ばれていたSoC(System on a Chip)であり、Windows 8タブレットをターゲットとして設計された製品でもある。

SoCとは、システムに必要な機能を1チップにまとめた半導体を指す。通常、PCの機能を実現するには、CPUとGPU(最近はCPUにGPUが内蔵されているが)の他に、PCI ExpressやUSB、SATAなどのインタフェースコントローラなどが必要であり、それらの機能をまとめたものがチップセットと呼ばれる。

GPU-Zの情報

Intel Atom Z2760はデュアルコアCPUを中心として、GPUやメモリコントローラ、インタフェースコントローラなど、PCとして必要な機能をすべて1つのチップに集積しているため、チップセットは不要だ。これによりチップ総数が減り、消費電力を削減できるだけでなく、コストや実装面積も削減できる。

さらに、Intel Atom Z2760は、S0ixと呼ばれる新たな省電力機能をサポートしているため、スリープ時の消費電力が非常に小さく、しかもスリープから高速で復帰できることも大きな特徴。CPU自体はデュアルコアだが、1つのコアで最大2つのスレッドを同時に実行するHyper-Threadingテクノロジを搭載しているため、最大4スレッドの同時実行が可能だ。自動オーバークロック機能のTurbo Boostテクノロジも搭載しており、動作クロックが最大1.8GHzまで上昇する。

「Atom」というと、以前のネットブックでのイメージから、処理性能が低いのではないかと考える人もいるだろう。しかし、Intel Atom Z2760は、ネットブックに搭載されていたAtomに比べて大きく進化しており、Windows 8を快適に動かせるパフォーマンスを備えているのだ。

その他、搭載メモリは2GBで増設はできず、ストレージには64GBのeMMCが採用されている。eMMCはSSDと同じように、記録媒体はフラッシュメモリだ。インタフェースがMMC準拠となる。なお、OSはWindows 8だが、Intel Atom Z2760は64bit命令に対応しておらず、Windows 8も32bit版がプリインストールされている。

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