E-830はメモリカードを利用したダイレクトプリントが可能なほか、USBケーブルでPCと接続することで通常のプリンタとしても利用できる。まずはダイレクトプリントで給紙から排紙までの時間を計測したところ、印刷品質が「標準」で27秒、「きれい」で71秒という結果だった。速さについてはまずまずといったところだろう。

印刷クオリティについては、「標準」品質でも十分美しい。「きれい」で印刷した結果と比べると、シャープさと発色でわずかに劣る。よりキレイに出力したいのなら「きれい」がおすすめだ。

コピー原稿は「JEITA標準パターン J12/Ver.1」(写真左)、L判フォト用紙のダイレクト印刷例(写真右)。スキャナで読み取ったものなので参考程度に

インクは染料4色だが、染料6色のEP-805Aと比べてもそれほど変わらないように感じた。E-830のほうが画像の自動補正機能が強く働いているようで、EP-805Aの出力結果よりも色が明るくエッジがシャープに見える。自然な色合いなのは6色インクのEP-805Aだが、もはや好みの問題だろう。

PCからの印刷には、付属ソフトの「E-Photo」を利用する。L判フチなし写真印刷を試してみたところ、印刷品質が「標準」で28.2秒、「きれい」で74秒だった。ハガキ印刷は、インクジェット用ハガキの「標準」品質で33.7秒、光沢ハガキの「標準」が32.6秒、「きれい」で88.7秒という結果に。特別速いというわけではないが、十分な性能だろう。

PCに不慣れな人には手軽でオススメ

分かりやすい画面や余計なボタンのないキーボード、メモリカードからのダイレクトプリントなど、PCをあまり使ったことがない人でも、E-830ならハガキ作りや写真印刷を簡単に利用できるだろう。コンパクトなので置き場所に困らないのもうれしい。とはいえ、実売価格で43,000円程度なのは高く感じる(2012年12月中旬時点)。

しかし、年配の方やPCに不慣れな人には、余計な手間が必要ないぶん、かえって都合がいいだろう。あるいは、機能をしぼった端末+プリンタの値段だと思えば、それほど高くはないのかもしれない。

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