Colorio me 宛名達人 E-830 - 持ち運びにも便利なコンパクトプリンタ

最後はユニークな小型モデル「Colorio me 宛名達人 E-830」(以下、E-830)。PCなしでハガキを作成できるインクジェットプリンタだ。付属のワイヤレスキーボードを使うことで、宛名や差出人の入力、管理が可能。ハガキの文面には写真やテンプレートを適用でき、PCに詳しくない人でも手軽にハガキを作れる。もちろん、写真の印刷も可能だ。

付属のワイヤレスキーボードでハガキの作成も可能な「Colorio me 宛名達人 E-830」

■試用機の主な仕様 [製品名] E-830 [インクシステム] 4色一体型インクシステム(染料Bk/C//M/Y) [プリント解像度] 最高5,760×1,440dpi [最大用紙サイズ] ハイビジョンサイズ(102×181mm) [FAX] なし [インタフェース] USB 2.0、IrDA(赤外線通信)、Bluetooth 2.0+EDR [本体サイズ/重量] W235×D192×H158mm/約2.6kg(本体のみ) [店頭予想価格] 50,000円台中盤

E-830のデザインと基本性能をチェック

カバーやディスプレイなどをすべて収納した状態。見た目は小さな電子レンジのようだ。本体上部には持ち運び用の取っ手が付いている

まずはE-830の外観を見てみよう。本体サイズはW235×D192×H158mmと非常にコンパクトで、重量も約2.6kgと軽い。そもそも本体に取っ手が付いており、持ち運びを前提としたモデルだ。

液晶モニタのサイズは7型で、タッチ機能には非対応。チルト機構によって、液晶モニタを見やすい角度に調整できる。画面は文字が大きくて見やすく、項目によって色が分けられているため操作も分かりやすい。

付属のキーボードは、本体とワイヤレスで接続する。右下の方向キーで機能を選択し、「OK」キーで決定するのが基本的な操作だ。分からないことがあれば、「ヘルプ」キーで詳しい説明を参照できる。

液晶モニタを一度押し下げると上方向にスライドし、角度を調整できる(写真左)。液晶サイズは7型で文字も大きく見やすい

付属のワイヤレスキーボード。基本操作はすべてこのキーボードで行う

キーボードを見た瞬間は使いづらそうに感じたが、実際に使ってみると意外にスラスラと入力できる。かなキーはJIS配列ではなく、あいうえお順に並んでいるので、好感を持つ人も多いはず。キーボードを日常的に使っていない人なら、この配列のほうが使いやすいだろう。

キーボードからはハガキ文面のほか、宛先や差出人の情報を作成できる。操作も簡単で、初心者でも戸惑うことはあまりないだろう。大量に用意されているハガキ用テンプレートを使えば、文面の作成も簡単だ。年賀状のテンプレートに撮影した写真をはめ込むこともできる。

用意されているインタフェースは、USB2.0端子とメモリカードスロット、IrDA(赤外線通信)、Bluetooth 2.0+EDRの4種類だ。対応するメモリカードは、コンパクトフラッシュ、メモリースティックDuo/PRO Duo、SD/SDHC/SDXCなど。赤外線通信機能を備えた端末とデータをやりとしたり、Bluetooth対応のAndroid端末から写真や住所録を送信したりできる。なお、Bluetoothでの接続には付属のBluetoothユニットを利用する。

本体の右側面にメモリカードスロットとUSB2.0端子を配置(写真左)。PC接続用のUSB2.0端子は本体背面だ。Bluetoothで接続する場合は付属のユニット(写真右)を側面のUSB端子に装着する

Bluetooth搭載のAndroid端末とペアリングすれば、専用アプリ「Colorio me」から写真や住所録の転送が可能だ。端末からの画像印刷は行えず、あくまでもデータの転送のみ。転送した写真の印刷は、本体の写真印刷機能を使う。

BluetoothでペアリングしたE-830にデータを転送できるアプリ「Epson宛名達人 E-830転送ツール」(写真左)。端末の住所録を転送することで、E-830でも住所録を利用できる(写真中)。写真は転送のみで端末からの印刷はできない(写真右)

使用するインクはブラック、シアン、マゼンタ、イエローの染料4色。一体型カートリッジのため扱いやすくセットも簡単だが、どれか1色でもなくなると丸ごと変えなければならない。

一体型インクカートリッジを採用。背面底部のカバーを開けてセットする

本体上部のカバーを開けてトレイを引き出して用紙をセット

給紙方法はシートフィーダ式で、本体背面から用紙を給紙する。対応する用紙はハイビジョンサイズ(102×181mm)やKG、ハガキ、L判など。セット可能な枚数は最大20枚までだ。排紙口は液晶モニタの奥で、印刷時には付属の排紙トレイを装着する。

印刷しないときは、本体をデジタルフォトフレームとして利用できる点もユニークだ。メモリカードから画像を本体メモリに転送することで、好きな画像を常に表示しておける。表示画像を一定時間で切り替えることもでき、切り替え時の表示効果もある。

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