液晶ディスプレイは従来通り1,980×1,080ピクセルのIPSパネルが採用されている。Retinaディスプレイの採用は見送られたが、iPhoneやiPadほど顔を近づけて使う製品ではないので、画素密度の粗さが気になることはあまりないだろう。

IPS液晶パネルということもあって視野角は広く、斜めから見ても色がほとんど変わらないのがうれしい。新モデルはディスプレイ表面の光の反射も大幅に抑えられているようで、映り込みが従来モデルに比べて少なく、明るい部屋でもかなり見やすくなっている。暗部が多い映像や写真の閲覧・編集をする際は、とくに反射の少なさを実感できるはずだ。 液晶の色域も広く、原色に近いビビッドな色もにごりのないクリアな色で再現される。Mac OS XのColorSyncユーティリティを利用して確認してみたところ、sRGBの色域を大きく超え、赤や青はAdobe RGBに近い色域を実現していた。IPSパネルを搭載した同クラスのWindows PCの液晶と比べても、赤や青の色域は少し広い傾向になっている。写真や映像を扱うフォトグラファーやデザイナーにとっては大きなメリットだ。

せっかくの高品位な液晶を、できるだけさまざまな用途に活用したいと思うのは自然なこと。そんなときのために、Thunderboltポートを搭載したiMacは従来から「ターゲットディスプレイモード」という機能が搭載されている。これは、iMacの液晶を外部ディスプレイとして他のThunderboltポート搭載Macで利用できるもの。手順は、iMacと他のMacをThunderboltケーブルでつないで両方を起動させたあと、iMacのキーボードでcommandキーとF2キーを同時に押せばOK。今回はMacBook Airの外付けディスプレイとして使用してみたが、非常に簡単にデュアルディスプレイ環境を構築できた。

液晶ディスプレイは21.5インチワイドで、解像度はフルHDの1,980×1,080ピクセル。IPS液晶パネルのため視野角が広く、斜めから見ても色がほとんど変わらない

左がsRGBの色域で、右がiMacの色域。全体的にiMacの方が色域が広い

左がAdobe RGB、右がiMacの色域。Adobe RGBに比べるとグリーンがやや狭いが、赤やブルーは差が少ない。一体型の液晶としてはかなり高品位だ

iMadとMacBook Airをターゲットディスプレイモードでつないでいるところ。iMacを他のMacの外部ディスプレイとして利用することができる