カシオ計算機は23日、デジタルカメラ「EXILIM」シリーズのフラッグシップとなる「EX-ZR1000」を発表。2012年9月にドイツで開催された「photokina 2012」の出展モデルで、日本でも正式発表となった。ブラック/ホワイト/レッドの3色を用意し、ブラックは11月9日の発売、ホワイト/レッドは11月22日の発売。価格はオープンで、店頭予想価格は50,000円前後。
開発テーマは「TRIPLE ZERO」。タイムラグ、ピンぼけ、手ブレを限りなく"ゼロ"に近づけることを目指した。新システム「EXILIM エンジンHS Ver.3」を搭載し、0.99秒の起動時間、0.15秒のオートフォーカス、最短0.26秒の撮影間隔など、新しい"サクサク感"を実現。
ユーザーインタフェースも新しくなった。本体にファンクションリングとコントロールダイヤルを設け、液晶モニタのGUIと連動。ダイヤルを回したり4方向ボタンを押すと、画面上のGUIが連動して動くので分かりやすい。
3.0型で約46万画素(960×480ドット)の液晶モニタは、バリアングル機構を搭載。最大180度のチルトが可能となった。ローアングルやハイアングル(本体を逆さまに構える)での撮影をはじめ、レンズと液晶モニタを同じ方向に向けて自分撮りや仲間撮りが手軽に行える。自立用スタンドも備え、安定した場所ならハンズフリーで撮影することも可能。
光学12.5倍のズームレンズ(35mm換算24-300mm)は、鏡胴部分に設けられたファンクションリングを回すことで、9段階のステップズームが行える。ファンクションリングにはズーミング操作のほかにも、撮影モードに応じて露出補正やISO感度、マニュアルフォーカスといった様々な操作を割り当てられる。
撮影機能としては、高精度なオート機能の「プレミアムオート PRO」、コントラストや彩度の強弱を変化させて芸術的な作品にする「HDRアート」、ほぼ真っ暗な場所でもISO25600相当の高感度で明るく撮れる「HSナイトショット」、8種類(トイカメラ、ソフトフォーカス、ライトトーン、ポップ、セピア、モノクロ、ミニチュア、フィッシュアイ)の特殊効果を楽しめる「アートショット」などを備える。アートショットは動画撮影にも適用でき、HDRアート撮影時に通常のオート撮影に相当する画像も同時に記録できるようになった。
高速連写とオートフォーカスの並列処理を実現したのもポイント。オートフォーカス動作をしながら、最大6fpsで最大30枚の連写撮影が行える。高速連写を生かした撮影機能も強化され、手前から背景までピントの合った写真を創り出す「全焦点マクロ」などが使えるようになっている。また、RAW記録(DNG形式)にも対応した。
主な仕様は、撮像素子が有効1,610万画素の1/2.3型CMOS、連射は最大30枚/秒、最短撮影可能距離は約1cm~。ISO感度は80~3200で、HSナイトショット時は最大でISO25600、動画撮影時はオートになる。動画の記録画素数は最大1,920×1,080ドット(30fps)。レンズの焦点距離は24~300mm相当(35mmフィルム換算時)、解放F値がF3.0~F5.9。
記録メディアはSD/SDHC/SDXCカードのほか、約52MBの内蔵メモリが利用可能。東芝の無線LAN搭載SDメモリーカード「FlashAir」や、同様のEye-Fiメモリーカードにも対応する。バッテリは専用リチウムイオン充電池で、CIPA準拠の撮影可能枚数は約470枚、本体サイズはW107.5×D36.7×H61.5mm、重量は約255g(電池およびメモリカードを含む)。