現行の第3世代iPad

10月23日、米Appleが米カリフォルニア州サンノゼでスペシャルイベントを開催する。ここで発表される製品は噂の小型iPadである「iPad mini」だとみられるが、この「iPad mini」、そして同イベントで同時に発表されるそのほかの製品について、事前に流れている噂を簡単に整理してみよう。

「iPad mini発表」に至るまでにはさまざまな噂が流れた

実のところ、Appleから予告されているのは23日にイベントが開催されることのみであり、どのような製品が登場するかは例によって明示されていない。Appleが7~8インチの小型iPadのプロトタイプ開発を進めていることは長く噂として知られていたが、具体的にサプライヤへの発注が進んだことが話として出てきたのはつい7月の話だ。その後、各サプライヤでの大量部品製造の話が出てきたり、真偽は不明だが製造ベンダーとして従来のFoxconnだけでなくPegatronの名前が挙がってきたりと、少しずつ進展がみられるようになった。そうしたなか、米Forbesが10月初頭に「Appleは10月17日にスペシャルイベントを開催し、ここで発表されたiPad miniを11月初旬にも発売する」という報道を行った。実際には17日の1週間前になってもプレス関係者への招待状発送は行われず、その当初イベント開催日だと噂だった17日に招待状の発送が行われ、23日がスペシャルイベントの開催日であることが明らかになったわけだ

筆者の推測では、同イベントのもともとの開催日は17日で、何らかの理由でそれが約1週間後の23日にずれ込んだのだと思われる。10月中旬にiPad miniが絡んだスペシャルイベントが行われることは、iPhone 5の発表があった9月上旬よりも前の段階で噂として出ており、あらかじめ予定されていたものとみられる。通常、プレス関係者に限定したAppleのスペシャルイベントは米カリフォルニア州サンフランシスコ市内のYerba Buena Center for the Arts (YBCA)で開催されることが多いが、イベント開催日がギリギリで設定されたとみられる2011年10月のスペシャルイベント(そこではiPhone 4Sが発表された)では、米Apple本社のTown Hall (4 Infinite Loop, Cupertino, CA)が会場となっている。Apple関係者は「Tim Cook氏が初めてCEOとして公の場に登場する」ことを理由に本社キャンパスを選んだとしているが、おそらくはイベント開催時期にYBCA周辺の会場が繁忙期で空いておらず、やむを得ずの選択だったのではないだろうか。

そして今回も同様の判断が行われた可能性があり、YBCAではない会場、サンノゼ市内の「California Theatre」が選択されている。立地的にはサンノゼ中心部に近く、McEnery Convention Centerの隣のブロックに位置する築100年近い歴史建造物だ。もっとも今回YBCAを選択しなかった理由をポジティブに考えるなら、YBCAの席数が755なのに対し、California Theatreは1122席と収容数が多いという点が買われたのかもしれない。とはいえ、もともとYBCAで行われるスペシャルイベント自体、全席数の半分程度しか利用しておらず、おそらくはCalifornia Theatreが会場だとしても劇的にその数が増えるわけではないだろう。ただ、従来のスペシャルイベントであればプレスでもごく限られた一部関係者のみを招待しているのに対し、今回のイベントでは比較的多くの関係者を招待しているという話もある。そのために、明らかに会場の狭い本社キャンパスのTown Hallではなく、やや広いCalifornia Theatreを選択したというのもうなずける。

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