同じクロックでも低電圧、低発熱で動作

さて、今回は前回のチャレンジ(記事はこちら)からマザーボードを変更したことで、少し低めのクロックからその挙動を見ていくことにしよう。秋口ということもあり、エアコンを点けずとも室温22℃程度というのは幸いだ。前回と比べると5℃ほど低い。テスト環境は基本的に前回同様で、必要最小限のメモリ、SSDに、今回はiGPUぶんの発熱を抑える意味でミドルレンジビデオカード(機材の都合から当初Radeon HD 7750、4.9GHz超はGeForce GTX 550 Ti)を組み合わせている。

ではまず4.1GHzから4.9GHzまで(全て4コア/8スレッドモード)の動作条件とスコアを見ていこう。さらっと4.9GHzと書いているが、前回、GA-Z77X-UP5Hで計測した最大クロックである4.8GHzを100MHz上回っている。

今回も最初の壁となるのは4.7GHzだった。これまでの2回のチャレンジでも同様だったため、おそらくこのあたりに壁があるのはIvy Bridgeで共通なのではないだろうか。なお、その壁というのはコア電圧と発熱のバランスだ。コア電圧を引き上げなければより高いクロックで動作させることができないが、一方で発熱が増大することでシステムは不安定に、例えシステムは動作を続けたとしても、CPUエラーにシビアなCINEBENCH R11.5では完走が難しくなる。

4.7GHzに関しては、コア電圧を1.35Vに引き上げることで完走した。これは1.4Vまで引き上げざるを得なかった前回と比べて0.05Vほど低い値だ。一方で4.7GHz超の4.9GHzはまた異なる設定が必要となった。前回4.8GHzを達成した際は、コア電圧を1.45Vに引き上げる一方で、CPU Vtt、CPU PLL、IMCといった周辺回路への電圧を引き下げることで発熱を抑えたが、今回も同様の手法が必要だった。4.9GHz動作時のコア電圧は1.456Vで、4.8GHz動作時よりも若干高い。ただしその際のCPU温度の最大値は、80℃台に抑えることができた。

45倍、4.5GHzまでは定格電圧のままベンチマークをパスした

47倍、4.7GHzになると電圧を引き上げないとベンチマークは完走しなかった

49倍、4.9GHzでは発熱を抑えるためにその他の電圧設定とバランスをとりながらギリギリのところで動作した

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