自作PCの醍醐味と言えるのがオーバークロック(OC)だ。今回は、世界的なOCランキングサイトにも度々名の挙がるGIGABYTEのマザーボードから、「GA-Z77X-UD5H」と「GA-Z77X-UD3H」をお借りし、通常冷却におけるCore i7-3770Kの限界に挑んでみた。
※ご注意 : オーバークロックはCPU、マザーボードおよびその他パーツに重大な影響を与える可能性があります。オーバークロックに関して編集部および筆者は責任を負いません。くれぐれも自己責任でお試しください。なお結果は今回のテスト環境下でのものであり、そのクロッククロックでの確実な動作や、実際の製品で同じベンチマークスコアが得られることを保証するものではありませんので、あらかじめご了承ください。
まず今回の2枚のマザーボードを紹介しておこう。今回の2枚のなかで上位モデルとなるのがGA-Z77X-UD5Hだ。同社のIntel Z77 Expressハイエンドモデルには、これとは別にG1.Sniper 3と同M3があるが、それらがゲーマー向けモデルとされているのに対し、GA-Z77X-UD5Hはオーバークロック~通常使用にフォーカスした機能を備えている。
フォームファクタはATX。ボードレイアウトも特殊なところは無く、一般的なATXケースに搭載できる。拡張スロットはPCI Express x16×3、x1×3、PCI×1。3本のx16スロットは、1本のみ利用する場合は16レーン、1番と2番にx16カードを挿した場合は8レーン×2本、3番にも挿した際には8レーン+4レーン×2本となる。なお、x16スロットは全てPCI Express 3.0に対応している。
なお、同マザーボードでは前回のチャレンジで、同じCore i7-3770Kを組み合わせ、4コア時4.7GHzを達成している。今回は、再挑戦にあたり、組合せるCPUクーラーをさらにパワーアップしてみた。具体的には、12cmファン×2枚分のラジエータを備えた簡易水冷キットのThermaltake「Water 2.0 Extreme」をベースに1,800rpmファンを両面に計4基装着した。
GA-Z77X-UD3Hは、同社のZ77マザーボードのなかでも中心的なモデルとなる。高性能で高耐久性、長寿命だが、価格はメインストリーム層に合せて、かなり安価で提供されている。高性能とはいえ、UD5Hと比べると若干シンプルとなり、例えば電源フェーズ数などはUD3Hの方が抑えられているし、ヒートシンクもやや小振りなものとなる。
また、拡張スロットのレイアウト自体は同じだが、3本のPCI Express x16スロットのうち、2本がPCI Express 3.0対応(16レーン/8レーン×2)、1本がPCI Express 2.0対応の4レーンとなる。このあたりは一長一短でどちらが優れているというよりは、使い方次第だろう。ほか、搭載するチップもやや異なり、例えば1000BASE-Tチップであれば、GA-Z77X-UD5HがIntelチップとAtherosチップのデュアル仕様なのに対しUD3HはAtherosのみ、オーディオチップはUD5HがRealtekチップに対しUD3HはVIAチップ、USB 3.0は合計8ポートで共通だが、実装方法はUD5Hがハブチップに対しUD3HがUSB 3.0チップ追加と、細かなところでは違ってくる。
■GA-Z77X-UD5HとUD3Hの主な仕様 | ||
モデル | GA-Z77X-UD5H | GA-Z77X-UD3H |
---|---|---|
CPUフェーズ数 | 8 | 6 |
PCIe x16(3.0) | 3(x16/x8/x4) | 2(x16/x8) |
PCIe x16(2.0) | - | 1(x4) |
PCIe x1(2.0) | 3 | 3(x16#3と排他) |
PCI | 1 | 1 |
オーディオ | Realtek | VIA |
1000BASE-T LAN | Intel+Atheros | Atheros |
SATA 3 | 2+4(1:eSATA) | 2+2 |
SATA 2 | 4(1:mSATAと排他) | 4(1:mSATAと排他) |
mSATA | 1 | 1 |
USB 3.0 | 8(ハブチップ経由) | 8(4+4) |