Android OSを搭載したことで、発表以来大きな話題となっているニコンのコンパクトカメラ「COOLPIX S800c」。スマートフォンのカメラ性能が向上し、次第に実用度を高めつつある中、逆転の発想が生んだ本機はまさに「ありそうでなかった」新機軸の製品だ。では、コンパクトカメラとして、またAndroid端末としての実力はどんなものだろうか。今回はその使い勝手を中心にご紹介したい。

「COOLPIX S800c」。正面はどこからどう見てもカメラ。ただし、突起物がほとんどない。中央上部に空いたふたつ穴はステレオマイク

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■ニコン、アプリでカスタマイズ可能なAndroid・Wi-Fi対応「COOLPIX S800c」

COOLPIX S800cの外観を手に取って眺めると、まず感じるのはその手になじむ形状だ。角張った部分をできるだけ抑えたラウンドフォルムは、液晶モニターを表向きにして操作することを強く意識している。また、ダイヤル等の突起が極限まで省かれているうえ、液晶モニター下の特徴的な3つボタンを見ても、ニコンが本機のAndroid要素を単なるオマケではなく、カメラ部分と同様に重要な要素と捉えていることが分かるだろう。

上面。このなだらかなラウンドフォルムが手に馴染む。中央に電源スイッチが見える

側面にはHDMI端子(Mini)とUSB端子。どちらも化粧蓋で上品に塞がれている。中央のパーツはストラップ取り付け用の環だ

蓋を開けたところ。USB端子は独自形状で充電端子を兼ねる

電源は、上面の電源ボタンを押すことでオンになる。電源オン時の動作は、どうやら前回電源オフ時の状態によって決まるようだ。すなわち、前回カメラアプリを起動させたまま電源オフしていると、次回電源オン時にはカメラが起動し、前回カメラアプリを終了した状態で電源オフした場合は、次回起動時にAndroidのロック画面が表示される。指でロック画面の錠前をフリックするとホーム画面が表示される(※1)ので、ここで「撮影」アイコンをタップすると、レンズが繰り出されてカメラが起動する。

※1 前回終了時にアプリ画面を表示したまま電源オフした場合は、次回電源オン時、ロック画面→そのアプリ画面で起動する。

背面の液晶モニターは3.5型の有機EL。Android2.x搭載端末で見慣れた3つボタンは、少々オフセットされている

底面に三脚用の穴があるのは、やはり正統なカメラの血統か。スマートフォンにもあれば便利なのに……。microSDではなく、通常のSDカードが使えるのもうれしい

同梱されるUSB充電ケーブル。プラグユニット基部を引っこ抜けば普通のUSB端子なので、PCに接続することもできる

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