GPUパフォーマンスを測定する
Geekbenchで「2x faster CPU」はある程度証明できたとして、もうひとつ「2x faster graphics」はGPUに特化したベンチマークアプリが必要だ。今回は、Open CL ES 2.0に対応したグラフィックベンチマーク「GPU Bench」(v2.1.5)を使用し、3D描画性能を検証した。テストは、古代エジプト風戦闘シーンのアニメーション「GLBenchmark 2.1 Egypt(high)」と「GLBenchmark 2.1 Pro(high)」、それぞれのオフスクリーンモードの計4種を実行している。
その結果は表3に示すとおり。フレーム落ちを起こしたiPhone 4を除くと、iPhone 4SとiPhone 5はいずれのテストもほぼフレーム落ちなしの結果となった。注目すべきは、それぞれのオフラインテストで、iPhone 5はいずれもiPhone 4Sの2倍以上のパフォーマンスを記録した。「2x faster graphics」についても、事実であることが証明されたと考えてよさそうだ。
iPhone 5に搭載されているGPUだが、スペックが未公表の独自設計(?)されたチップなだけに、確たる情報がないのが現状だ。メニーコア搭載のPowerVR SGX 543MPシリーズであることは、ベンチマークアプリが出力する情報からすると確実で、新しいiPad(第3世代)のApple A5Xと同じクアッドコアの「PowerVR SGX543MP4」である可能性が指摘されている。一方、海外レビューサイトのAnandtechでは、Apple A6のGPUは3コアであるとの分析結果を発表しており(参考)、確認が待たれる。
■表3:GLBench 2.1.5の測定結果
iPhone 4 | iPhone 4S | iPhone 5 | |
---|---|---|---|
Egypt(high) | 1348/11fps | 6613/59fps | 6738/60fps |
Egypt(offscreen) | 1258/11fps | 8204/73fps | 16602/147fps |
Pro(high) | 850/17fps | 2932/59fps | 2984/60fps |
Pro(offscreen) | 855/17fps | 6006/120fps | 12633/253fps |