ソニーは9月20日、「ウォークマン F」シリーズおよび新「ウォークマン S」シリーズの報道関係者向け発表会を開催した。
「ウォークマン F」は、2011年発表の「ウォークマン Z」シリーズに続くAndroid OS搭載モデルの第二弾であるとともに、同社が「ウォークマン史上最高音質」を謳う自信作だ。
五感に響く「音」技術の追求で商品力を強化
発表会ではまず、ソニー 業務執行役員 SVP ホームエンタテインメント&サウンド事業本部 副本部長の高木一郎氏が登壇し、ソニーが目指す音作りの方向性を説明した。
高木氏は「スマートフォンの爆発的な普及で、スマートフォンと接続できるヘッドホンや、ワイヤレススピーカーなどのパーソナルオーディオ製品が成長を見せている」とオーディオ市場のトレンドを紹介。ソニーでは、それらのヘッドホンやパーソナルオーディオを「強化カテゴリー」として位置付ける一方で、デジタルミュージックプレーヤー、すなわち「ウォークマン」シリーズを「技術強化カテゴリー」として分類しているという。
ウォークマンの商品力強化には、「いい音」がポイントになると高木氏は語る。「ソニーの音は、創業以来の継続的な蓄積によるもの」と前置きした上で、クリアオーディオテクノロジーやデジタルノイズキャンセリングなどのデジタルシグナルプロセッサー信号処理、「S-MASTER」「S-MASTER MX」などのアンプ信号増幅技術、バランスド・アーマチュアドライバーや磁性流体サスペンション構造などのトランデューサーに代表される、同社のサウンド技術を紹介。これらが「商品力強化の根幹をなす」と高木氏は強調した。
また高木氏は、単純にいい音を追求するだけでなく、世界各地の地域特性に合わせた音作りや、商品展開を行っていくことも説明。例えば、南米では音楽を"カラダで聴く"という文化があるそうで、ソニーではそれに合わせて、迫力ある低音再生を重視した音作り・商品展開を行っている事例が紹介された。
さらに、ソニー全社でいい音を追求した商品展開を行っていることも紹介。例えば、84V型・4K表示の「BRAVIA(ブラビア)」や、「Xperia Tablet S」やスマートフォン、9月に発表されたばかりのデジタルビデオカメラ「NEX-VG900」などの音響技術で、専門家からも高い評価を受けたとのことだ。
10代に急増する「ウォークマン」ユーザー
続いて、ソニーマーケティング モバイルエンタテインメントプロダクツマーケティング部の徳田耕一氏が登壇。徳田氏はまず、デジタルミュージックプレーヤー(DMP)の国内市場規模の推移を紹介。
徳田氏は「スマートフォンの普及により、DMPの販売台数が減少しているのは確かだが、スマートフォンのユーザーには"いい音"を聴きたいというニーズがある」とした上で、「高級ヘッドホンが売れているのがその一例だ」とコメント。いい音へのニーズが高くなっているとの分析を示した。
一方で「ウォークマン」シリーズは、DMP市場でシェア1位を18カ月連続でキープしているとのことで、「ウォークマン=高音質」という認識が浸透していると徳田氏は語る。中でも10代に圧倒的な支持を受けており、「ゲームは別とすれば、デジタルライフの入り口としてウォークマンが10代にとって"いい音"の最初の体験になっている」と、自社の強みを強調した。
心を震わせる高音質が自慢の新「ウォークマン」
これらの流れを踏まえ、徳田氏は新製品の特徴を紹介。進化点の1つとして、「クリアフェーズ」機能が挙げられた。同機能は、「音響特性の最適化により、各楽器やボーカルの音をよりクリアに聴こえるようにするもの」(徳田氏)で、これに従来からあるデジタルノイズキャンセリングや「S-MASTER MX」「DSEE」などの高音質化技術で、「人々の心を震わせる音の追求」を目指したという。
また、ウォークマン Fは、シリーズ史上第二弾となるAndroid OS搭載機。Google Play経由でアプリを追加したり、ウェブ動画も高音質で楽しんだりというAndroid OS搭載機ならではの楽しみ方が紹介された。
イメージキャラクターの西野カナさんも登場
新製品のイメージキャラクターには、10代に支持を受ける歌手の西野カナさんを起用。発表会には西野さんが参加し、トークセッションが行われた。
西野さんは新製品について、「新色のピンクがめっちゃ可愛いんですよ」とコメント。さらに、「ワイヤレスで音楽を聴けるのが便利です」とBluetooth対応のメリットを強調した。
発表会では、西野さん本人も出演する新テレビCMが公開され、エキストラの高校生達と一緒になって汗だくでダンスをしたエピソードも披露。「高校生の方々との共演という、珍しい体験ができた」と語った。
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